リス太と学ぶ認知行動療法 ~劣等感/満足度予想表~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

前回まで、自尊感情についてやってきたけど、ここで一度、反対側のものにも目を向けてみようか。
反対側のもの?
うん。劣等感だよ。
劣等感かあ・・・うぅ、僕、結構劣等感は強く持ってるかも。
自尊感情を持つのは良いことだけれど、それじゃあその反対、劣等感は悪いものなのかな?
それは・・・そうなんじゃないの?
実は、劣等感にはいくつかの隠された利点があるんだ。
えっ?どういうこと?
それを知るために、今日は劣等感のメリット・デメリット分析をしてみよう!

劣等感のメリット・デメリット分析

劣等感に利点があるってことは、自分を劣った人間だとか、劣等人間だと考えることでプラスになることがあるっていうの?
うーん、信じられないよ!
そのためのメリット・デメリット分析だよ! 自分が劣った存在だと考えることで得られるメリットとデメリットを考えてみよう!

 

あなたが変えたい態度または思い込みは?
「僕は欠陥だらけのダメ人間だ。僕が人並みにできることは何もない」
これを信じることのメリット これを信じることのデメリット
1.どうせやっても無駄だと考えることで努力しないで済む 1.努力をすれば変わるかもしれないのに、劣等感がその妨げとなる。
2.劣っていることを理由に挑戦しなければ傷つかずに済む 2.やってみてできたときの昂揚感を感じることができない
3.人より劣っているから頑張らないといけないというモチベーションになる。 3.人より多く頑張らないといけないので疲れてしまう。
45 55

 

かなりの僅差になったみたいだね。
うん。考えてみたら、劣等感は自分を守ったり、あるいは頑張るための燃料になることもあるんだって気づいたんだ。
それでも、デメリットのほうが大きいとK君は判断したんだね。
自分のことを守るのも大事だけれど、いつまでもそればかりじゃ、成長できないと思ったんだ。
それじゃあ、元の考えに代わる、新しい考えを探してみよう。
えーと、「僕には苦手なこともあるかもしれないが、何もかもが苦手というわけではないし、やってみないとわからない」って感じかな?
うん。いいと思うよ。
そうしたら、、今日はもう一つ、満足度予想表についてもやってみよう!

満足度予想表

満足度予想表・・・って、いったい何?
満足度予想表には、2つの目的があるんだ。
まず1つが、やりがいのある活動への関与をより多くすること。
ふむふむ・・・もう1つは?
もう1つは、「1人になるとみじめに感じる」「本当の幸せは、大切に思う人との愛情のこもった関係からしか生まれない」なんていう思い込みは検証することで、より強い自立心を育むことだよ。
それらの思い込みを検証するとどうなるの?
そうすることで、自然に自尊感情が高まっていくんだ。
えっ、それはすごいや! どうやって使うの?
満足度予想表には、「活動の内容」「一緒に行う人」「予想される満足度」「実際の満足度」の4つの欄があるんだ。
それぞれに、以下の内容を記入していけばOK!

 

活動の内容 満足、知識、人間的成長などが得られる可能性のある活動予定を記入します。
もし今憂うつな気分で、やりがいのある活動を考えられなければ、かつて楽しんでいた内容を記入してください。
また、友人と一緒に行う活動だけでなく、ジョギングや読書など、1人で行う活動も記入してください。
一緒に行う人 それぞれの活動を誰と行うかを記入します。
自分1人で活動する場合、「1人で」ではなく「自分と」と記入するようにしてください。
これは、自分を仲間、あるいは友人とみなすことで、孤独を感じる必要はないと思い出すためです。
予想される満足度 それぞれの活動が、どのくらいの満足度をもたらすと考えられるかを、0%から100%で予想して書き入れます。
この予想度は、活動開始前に記入するようにしてください。
実際の満足度 それぞれの活動がどの程度楽しく、やりがいがあったかを示します。
この欄を見れば、どれが一番満足度の高い活動であったかがわかります。

 

なるほど。これを埋めていけばいいんだね!
よし、それじゃあこれは次回への宿題にしようかな。
わかったよ! それじゃあ、満足度予想表を今週作ってやってみるね!

 

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