不安から自分を解放してあげる処方箋 ~その28 どうして他人に求めるのか~
「わかってほしい」ではわかってもらえない
- どうして言う通りにしてくれないんだろう? このほうが絶対いいのに。
- 思い通りにいかないことばかり。 イライラする。
- 私の要望だけ叶わない気がする。
- 他人に期待をしても無駄だ。 どうせ裏切られるだろう。
大切なのは「わかってもらうこと」ではない
言うことを聞いてほしい、黙って従ってほしい。私の思う通りにしてほしい。
では、どうしてそのように思うのでしょうか?
他人が意のままに動けば、あなたは満足できるのでしょうか。
きっとその願いがかなったとしても、次の要求がこれでもかと続いてくるでしょう。
なぜ、このように際限のない欲望に突き動かされ、他人を支配することを達成しても満足できないのでしょうか。
どうしてこんなに不満が溜まるのか
「わかった、次から気を付ける」と言われても、それで不満やイライラが落ち着くことはないでしょう。
相手は反省しているようですが、それでは自分の不満のタネは解決しません。
自分の不満・イライラの原因が見えていないということです。
本当は不満・イライラの原因となることの解決をしなくてはいけないのに、「こうしてほしい」と要求をするだけだから、原因が解決せずに不満になっていくのです。
目的と手段が、それぞれ異なっているのです。
叶えたい願いを叶えるためには
曖昧な目的
例えば、「裕福に暮らしたい」という漠然とした願望があるとします。
そのままだと、「どうしたら裕福になれるのか」と考えても、せいぜい「仕事を頑張るしかない」という答えが出てくるか、さもなければ「今のままでは無理」という結論で終わってしまうでしょう。
具体的な目的
一方で「○○の事業で独立したい、裕福に暮らしたい」という願望があったとします。
これであれば、「○○で独立するためには、まずこれをする」「協力してほしい人がいる」と、行動対象・目標が具体的になります。
目標が具体的になることで、何をすべきなのか、何が達成されれば足りるのかがわかってきます。
人間関係も漠然としている
同じように、人間関係でも、目的がはっきりしているほど、相手への要求も具体的になり、達成されると満足感が出てきます。
どんな目的があって「言うことをきいてほしい」「思う通りになってほしい」という要求をしているのでしょうか。
相手や周囲に、どんなことをしてほしいのでしょうか。
「全力でサポートをしてほしい」「全てしたがってほしい」という願望ではないでしょう。
たとえそのような願望であれば、満たされた瞬間に、次の「もっとこうしてほしい」「もっと意見を尊重してほいい」ととめどない要求になるでしょう。
つまり、達成されても満足感がなく、次へ次へと要求をしてしまう状態です。
どうして相手をコントロールしたがるのか。
どうしてその人なのか。
自分の行動の目標や、目的が具体的でないと、意のままに動いてくれる他人ばかりの世界だったとしても、満足感を得られません。
思い通りにならない、うまくいかない。
自分ばかり苦難がある。
他人に何かを求める前に、どうして求めているのか・その前に自分にできることはないか。
一度考え直してみる必要がありそうです。