自分の人生を支配している「思い込み」 ⑦ ~その考え、実は思い込みかも?~
就労移行支援事業所 リスタート では、毎週金曜日に自己分析講座をやっています。
自己分析講座では、「自分を知り、人に説明できるようになること」と、「自分で自分にかけてしまっている『制限』に気づき、苦手を克服すること」の2点を軸に分析を進めています。
ここでは、自分について知り、『制限』から抜け出すために、「思い込み」というものについて考えていきたいと思います。
「正しい」と思い込むということ
人の考え方は、そもそも思い込みによって成り立っています。
自分自身が「正しい」と思っていることによって、人は物事を判断します。
しかしその、何が「正しい」のかということは、実は人によって異なっているのです。
そこで今回は、実は思い込みである様々な考え方について見ていきます。
「自分にとって価値のあること」は世の中にとってもそうだ
「何かをもっとよくしたい」というのは、行動を起こすための重要なモチベーションです。
例えば、音楽というのは昔は直接演奏を見に行かなければ聴くことができないものでした。
しかし、エジソンが蓄音機を発明し、直接演奏を聴かなくとも音楽を聴くことが可能となりました。
その後、外でも音楽を楽しめるポータブルプレーヤーが作られたり、今ではダウンロードしてどこでも聞けるのが当たり前になったりなどと、どんどん音楽の聴き方は便利になっています。
実は、これらの進化の歴史には、常に思い込みの影響がありました。
「演奏を見に行かずとも音楽を聴ければ便利だろう」
「外でも音楽を聴きたいと思っている人は多くいるだろう」
「ダウンロードで音楽を聴けるサービスが求められているに違いない」
このような、「自分にとって価値のあることは、世の中にとってもそうに違いない」という「思い込み」があったからこそ、技術は進歩してきたのです。
しかし一方で、「これには価値がある。世の中も求めているはずだ」と送り出したものの、受け入れられることなく消えていったアイデアも多くあったはずなのです。
ものごとにはすべて意味がある
これも、よくある「思い込み」であるといえるでしょう。
人は、どんなことにでも意味を求めてしまうものです。
現代では科学で証明されていることが、昔の人にとっては「神さま」や「妖怪」の仕業であったというのも、「どうしてこうなるのか」意味を求めていたからであると考えられます。
今でも、なんだか悪いことが続くので占いを見てみるとか、お祓いをしてもらう、という人もいるでしょう。
実際にはたまたまの連続であったとしても、人はそこに何かしらの意味を「思い込もう」とするのです。
周りの人も自分と同じように考えている
「努力すれば必ず成功する」「男たるもの泣いてはいけない」「幸せになるためにはお金が必要だ」
人は、こうした考えを持つとき、無意識のうちに「周りの人もそう思っている」と思い込んでいることが多々あります。
実際には、これらの考えは思い込みであり、他の人は真逆の考えを持っているかもしれません。
そして、これらの考えが正しいという保証もないのです。
思い込みは原動力にもなる
目の前の壁を乗り越えるとき、根拠のない思い込みこそが重要な役割を持つことも多くあります。
先ほど紹介した、「これを世の中の人も求めているだろう」という思い込みで新しいものを生み出すというのもそうです。
「努力すれば必ず成功する」と考えているからこそ、努力を重ねて実際に成果を上げることができた、ということもあると思います。
逆に、「上手くいくだろう」という思い込みがなければ行動を起こすこと自体出来ないのです。
思い込みは、「誰もが同じく思っている絶対の真実」ではない、ということは知っておく必要があります。
そのうえで、ポジティブな思い込みをうまく利用することができれば、成功に一歩近づけるでしょう。