PC講座「ビジネス文書作成実践 社内文書」
目次
PC講座「ビジネス文書作成実践 社内文書」
PC講座では各自の進度に合わせて学習をすることができます。
パソコン初心者の方は画面の見方、マウスの使い方、タイピングといった基本操作を学習。
慣れてきた方や経験者の方は、様々なソフトを使って実践問題。
自分のペースで慣れていきながら、確実にスキルを身に着けていくことができます。
今週は、「ビジネス文書」の中の一つ、「社内文書」について、詳しくみていきました!
1.社内文書の概要
社内文書とは、その名の通り自社の従業員に向けて発行する文書のことです。
情報を正確にまとめ、組織で共有するための文書なので、社内文書がないと社内の情報伝達が滞ってしまいます。
まさに会社内の業務を円滑に行うために利用される書類と言えます。
社内文書は、社外・社交文書のような儀礼的な文書とは異なり、実用本位でわかりやすい文章で作成します。
社内でやりとりされる書類ではありますが、適切な書き方ができるよう、書き方とマナーを身につけることはとても大切です。
2.社内文書の役割
① 社内の情報を共有する
社内文書で最も重要な役割は情報共有です。
有益な情報を共有することは、組織で業務を円滑に進めるために欠かせません。
しかし、情報を口頭やメールで伝えている状態では、時間がかかるだけでなく、情報が複数の相手にスムーズに伝わらない恐れがあります。
社内文書を活用して、適切な方法で情報を共有すれば、複数の相手にも情報をスムーズに伝えられます。
② 社内のコミュニケーションを活性化する
組織で行う業務には社内外の多くの人が関わっているため、一つの部署で全ての工程が完結する業務は稀です。
社内文書は、業務の関係者全員に情報を共有して、社内のコミュニケーションを活性化する役割があります。
社内文書を主体とした話し合いが進めやすくなり、多くの意見を募ることで、優れたアイデアが生まれたり、業務の中の改善点など見つけられます。
③ 社内の情報を記録する
記録のない情報共有では「言った」「言わない」という行き違いが発生しやすくなります。
また、誰かの聞き間違い・勘違い・認識のズレによって情報の内容が大きく変わってしまう恐れがあります。
社内文書は正確に情報を伝えて記録するという役割も持っています。
文書が残っていれば、情報が変化して違った内容になることもありません。
また、社内文書を保管・管理することで、企業の知的財産として蓄積されていきます。
特に有益な情報が含まれた文書やトラブルの記録は、今後も長期的に活用できる情報になります。
3.社内文書 5つの種類
① 通知・案内に関わる書類
社内に告知される回覧文書、行事、イベントの日程告知の文書など。
いずれも社内全職員に情報を周知する際に発信する社内文書です。
告知内容は多岐にわたりますが、多くの人が確認する情報のため、作成する際には以下の点が求められます。
・一見して情報が伝わるわかりやすい書類であること
・日時や場所、時間などが明確に記載していること
② 稟議・提案などに関わる社内文書
稟議書や提案書など、一般的に部下から上司に対して発信される社内文書。
上司や会社上層部の検討や承認を依頼する際に発信されます。
自分に決裁権がない内容について上司に伺いを立てたり、上司に許可や報告が必要である内容が生じたりする場合に作成される書類。上司や上層部など、特定の少数の社員に宛てて発信し、さらに検討や承認などを要求する時に作成します。
作成する際には以下の点が求められます。
・承認・検討して欲しい内容が明確にわかりやすく書かれていること
・承認や検討を希望する理由が納得のいく内容であること
・承認や決済をいつまでに行って欲しいかが明確に記載されていること
③ 届出・報告に関わる社内文書
日々の業務において、部内の上司などに業務内容や勤務における届出などを行う際に発信する社内文書。
日常的な報告や、勤務・勤怠における届出書類などが主な内容となりますが、業務上の失敗やトラブルを報告する始末書や顛末書などもこれに含まれます。
上司による決済や検討が必要となる書類ではありませんが、上司宛に発信し、上司に内容が受理される必要がある文書です。作成する際には以下の点が求められます。
・報告や届出の内容が正確であること
・始末書や顛末書に関しては事実を正しく伝えていること
④ 指示・指令に関わる社内文書
通達や辞令など、主に上司や上層部から部下宛に発信する書類。
基本的には人事異動の支持や業務における命令など、上司から部下に指示を出す際に発信する文書です。
部下への命令を示す文書となるため。作成する際には以下の点が求められます。
・指示内容が正しく記載されていること
・威圧的な表現を避けて作成すること
⑤ 記録に関わる社内文書
議事録や手順書、データ統計結果など、社内で記録情報を共有する際に発信する社内文書。
これらの中でも記録に関わる社内文書として特に重要になるのが会議議事録です。
議事録は、基本的に会議出席者全員宛に発信し、会議での決定内容を会議参加者で確定し共有するという点で、社内の業務運営には欠かせない書類です。
議事録を作成する際には、
・会議での決定事項がわかりやすく記載さ入れていること
・会議の決定事項を取りこぼしなく報告していること
これらが重要になりますが、特に決定事項については、担当者や期限、決定内容など細部まで取りこぼしがなく記載されている必要があります。
4.基本的レイアウトと必要な項目
① 文書番号と発行年月日
右最上部に文書番頭と文書の発信日を記載。文書番号を記載しない企業もあるため、職場のフォーマットに従う。
② 受信者(宛名)
文書を送る相手を左詰めで記載。相手が複数の場合は「○○各位」。
③ 発信者
文書を発信する人の部署名と氏名を右詰めで記載。発信者は社内文書を発信する責任者であり、必ずしも文書の作成者ではない点に注意。
④ タイトル
文書の件名を中央寄せにして記載。フォントを大きくしたり太字にしたり。タイトルだけで文書の趣旨が伝わるよう簡潔に。
⑤ 本文
用件を分かりやすく記載。頭語・結語、時候の挨拶は不要。「です・ます」調でもっとも伝えたい内容を冒頭に。
⑥ 記書き
複数の内容を伝えたい場合には、本文の下に「記」としるし、内容を箇条書きで記載。
会議やイベントなどの日程を伝える場合には、日時、場所、内容など。
⑦ 結び
本文と記書きが終わったら、その直下に「以上」と右詰めで記載。
⑧ 担当者
③の発信者と担当者が異なる場合には、文書作成を行った担当者の部署と氏名を右詰めで記載。
必要な場合には文書内容の問い合わせ窓口として、担当者のアドレス、内線番号、連絡先を併記。