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第91回 教えて!リス太くん

今週末に第5回メンタルヘルス講座が開催されるよ!
そこで前回から講座のテーマ「トラウマ」を勉強しています!
今日は「トラウマ」の種類や特徴を見ていくよ~
精神医学で定義されるようなトラウマを体験によって、身体的にも心理的にも様々な反応を起こします。
極度の危険に巻き込まれた人ならば誰にでも生じる反応であり、異常な状況に対する正常な反応で、特に「異常な状態」ではありません。
トラウマ反応による症状や変化
1.感情や思考の変化
信じられない出来事が起きたために、現実を受け止められずに、何をどうしてよいのかわからなくなります。
突然茫然としていたり、恐怖や不安の気持ちで一杯になることがあります。
悲嘆や落ち込み、喪失感から、うつ的な感情に支配されることがあります。
感情のコントロールが出来ず突然泣いたり、怒りでイライラしたりします。
自分の責任であると考え、自分自身を責めたりします。
方向感覚の喪失や注意が散漫になります。
些細な音に対して過敏になったりします。
出来事について、全く考えることができない時期と、考えすぎてしまう時期が繰りかえされます。
2.身体的変化
恐怖・不安のために、過度の緊張状態により、不眠、動悸、めまい、発汗、筋肉の震えや麻痺、頭痛、腹痛、寒気、吐き気などが起こり、呼吸困難になることもあります。
子どもの場合は、夜尿、頻尿、吃音、過呼吸、食欲不振、過食、アレルギーなどの症状が現れます。

3.行動の変化
感情の変化が行動に表れふさぎこんだり、部屋に閉じこもったりします。
思い出の場所を歩き回ったりします。
怒りが爆発したり、ふさぎこんだりします。
過食や拒食、薬やアルコールへの依存などの行動も起きやすいです。
トラウマ反応は、トラウマ体験直後から発症することが多いが、そのために、記憶を無意識に封印し苦痛から逃れようとすることがあり、数年後に突然恐怖を思い出し精神疾患の治療中にトラウマ体験が明らかになるケースもあります。
トラウマと急性ストレス障害・心的外傷後ストレス障害との関係
トラウマ体験により身体的にも精神的にも様々な反応を生じることがあります。
ダメージが非常に激しい場合や長期化する場合には、急性ストレス障害(ASD)や、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった心の病を発症することがあります。
急性ストレス障害(ASD)とは、このようなフラッシュバック体験による苦痛や過覚醒などのストレス反応を発症することで、数日から1カ月以内に自然治癒するものを言います。
同様の状態が1カ月以上の長期にわたり続く場合は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。
このようなトラウマ反応は、時間が立てば解決するというものではなく、「克服しよう」とする本人の意思とカウンセリングなどによる専門家の指導が必要になります。
トラウマの種類
トラウマには、発達トラウマとショックトラウマがあります。
発達トラウマは、子供時代の親子関係や家族関係の中で、養育上の関係性の中で体験したトラウマ体験です。
ショックトラウマは、エピソードトラウマとも言われ、失恋や人間関係の終わり、夫婦喧嘩や親しい人との喧嘩、いじめ、交通事故、高いところや階段からの落下、ケガ、手術など病院での処置や歯医者での処置、映画などでの恐怖の体験、社会的・仕事・学業上での失敗やピンチの経験による高い緊張・ストレス状態などがあります。
自然災害――地震・火災・火山の噴火・台風・洪水・竜巻など
社会的不安――戦争・紛争・テロ事件・暴動など
生命などの危機に関わる体験―暴力・事故・犯罪・性的被害など
喪失体験――家族・友人の死、大切な物の喪失など
人為災害(航空機事故、鉄道事故、交通事故など)
トラウマになるような出来事主な特徴
予測不可能
予測が出来ない突然の事態であるということ。
ある程度予測できることであれば、事前に備えることも、身構えることもできます。
不意に訪れるショッキングな出来事は、その後の見通しも立たないため衝撃が大きくなります。
災害や事故などは、突然起こる予測不可能な事態です。
コントロールができない
自然災害などの圧倒的な出来事や、飛行機や鉄道事故などの人為災害は、自分ではどうすることもできないものです。
親しい人の突然の予期せぬ暴力的な死や交通事故やさまざまな事故で突然亡くすことなどもトラウマ体験となり得ます。非常に残虐的な場面やグロテスクなものを目撃してしまい、その光景が目に焼き付いて離れないということもあります。

責任を感じる結果
自分の重大な過失によって事件・事故が起こってしまった場合や、主観的にみて自分に責任があると感じている場合は、それがトラウマに繋がります。
災害に遭遇したときに感じた恐怖や、周囲の人を「助けることができなかった」「自分だけが助かってしまった」という自責の念は心に深い傷を残します。
児童虐待の被害
逆に虐待、いじめ、犯罪など、人としての信頼を損ねるような出来事に遭遇すると、それがトラウマとなってその後の人生に大きな影響を与えてしまいます。
虐待
虐待は、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4つに分類されトラウマ体験になり得ます。
児童虐待のケースは、虐待の状況から解放された後もトラウマ反応を起こし、大人になってからもその人を苦しめ続ける結果となります。

いじめ
いじめを受けた人は、不登校、出社拒否など、日常生活に支障をきたす状況に追い込まれたり、うつ病などの精神疾患を発病したりすることがあり、その後遺症に長い間苦しめられることになります。
いじめのトラウマ反応としては、対人恐怖症や視線恐怖症などの神経症があります。
人からの評価が気になり、緊張と不安で本来の自分を出すことができません。
相手のちょっとした反応に過敏になり他人の顔色をうかがい、少しでも迷惑そうな顔をされると劣等感を感じてしまいます。
視線を合わせることができずに、キョロキョロと落ち着きません。
長く会話ができないといった症状もみられます。
ハラスメント
セクハラ、パワハラ、モラハラ、社会問題化している様々な職場のハラスメント行為。
退職してもその当時を思い出して涙があふれたり、胸が締め付けられるような気持になったりします。
転職先でもその苦しみから逃れることができません。
『対人関係が恐怖の対象』となっているため、転職先でもその苦しみから逃れることができず、新しい職場にも順応することが難しいことがあります。
現実にはハラスメントが無い状態でも、自己の空想の上でハラスメントによって苦しみが続いてしまっています。
犯罪
襲われたり、ナイフで脅されたり、からだを傷つけられたり、といった暴力犯罪の被害や、強姦や強姦未遂などの性暴力の被害、誘拐・捕虜・監禁の体験もトラウマとなり得ます。
事故
交通事故などで命の危機を感じる大怪我をした場合や、悲惨な事故現場を目撃してしまったことがトラウマに繋がることがあります。
交通事故の場合は、事故後、運転が出来なくなったり、事故の恐怖で家から出られないなどの回避行動や趣味を楽しめない、学校・仕事を休みがちになったなどの日常生活の影響が被害者にも加害者にも見られることがあります。

喪失感
事故や災害などの予期せぬ事態に巻き込まれて悲惨な死を迎えたり、死の状況を目の当たりにした場合や、家族や恋人などの突然の死や自殺など大切なものを失くした喪失感によりトラウマに繋がることがあります。
大規模な自然災害
大規模な自然災害は、被災者に大きな心の傷を残します。
救護活動にあたった自衛官、消防隊員、警察官、ボランティアの方々の中にも、未だにPTSDに苦しめられている人がいるという現実があります。
大規模災害では、自分の命の危険、悲惨な状況の目撃、家族の喪失などいくつものトラウマ要素が重なり合うことになります。
戦争
アメリカで戦闘に参加した兵士たちをケアする「精神的後遺症」の研究が、トラウマ研究の基礎となっています。
ベトナム戦争では前線で戦った兵士の約15%がその後PTSDの症状を訴えています。
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