リス太と学ぶ認知行動療法 ~回避行動に代わる別の行動を考えよう~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

それじゃあ今日も回避行動についてやっていくけど、前回話した内容は覚えているかな?
ええと、憂うつなときなんかには、何かを「避けたり」「先延ばししたり」する回避行動を取ってしまうことが多いんだよね。
回避行動にはその場では良い面もあるんだけど、長い目で見ると本当にしたいことができなくなってしまうんだ。
その通り! でも実は、回避行動が起きるのは憂うつなときだけじゃないんだよ。
ええっ?そうなの?
例えば、そうだね・・・。半年後に行く旅行をすっごく楽しみにしてたのに、1週間前に迫ってくるとなんだか面倒に感じる・・・みたいな経験ってないかな?
あー、わかるかも・・・。
それも回避行動の一種なんだ。人はそれが本当にやりたいことだったとしても、目の前に迫ってくると避けようとしてしまうものなんだ。
これは、憂うつなときに限らないんだけど、そのせいでいざ憂うつが原因で回避行動が起きている時に、それが憂うつが原因であると気づき辛いんだ。
うーん、自分が憂うつになっている、ってことに気が付くのも難しいもんね。
知らず知らずのうちに回避行動を繰り返したら、本当にしたい生活からどんどん離れて行っちゃうよ!
そう、だから、まずは自分が回避行動をしていること、憂うつであることに気づかないといけないんだ。
例えば、前回K君が挙げてくれたこの回避行動を見てみて?

 

回避行動 休日は午後になってもベッドから出ず、外出もしないでゴロゴロしている。
良い面 悪い面
休息が取れる 一日中くよくよと考え込んでしまう。
憂うつな気分が晴れない
良い面が「休息が取れる」になっているけど、この生活で疲れは取れる?
ううん。むしろ、長時間眠ったり、他のことをせずに休んでいるにも関わらず、いつも疲れが取れないんだよね・・・。
それは、回避行動のために全体的な生活の質が下がっているせいだろうね。
全体的な生活の質?
うん。憂うつを一時的に防ごうと回避行動をすることで、憂うつな気分を晴らせないまま長い時間を過ごすことになるんだ。
そのせいで、例えば平日に中々寝付けなくなったら、休日にずっとベッドにいたとしても、慢性的に疲れたままになってしまうでしょ?
確かに。 問題の原因が回避行動や憂うつな気分にあるってことに気づければ、対策していくことができるね!
・・・といっても、対策って何をすればいいんだろう?
よーし、それじゃあ今日は回避行動への対策の第一歩として!「別の行動」について考えてみよう!

 

回避行動に代わる別の行動を考えよう

じゃあ、回避行動への対処法なんだけど、まずは、回避行動は一時しのぎであって、本当にしたいことから遠ざかってしまっているんだ、っていうことを、繰り返し理解することが重要だよ。
わかったよ!
あ、でも、一時しのぎが100%悪いっていうわけではないんだよね?
そうだね。一時しのぎは絶対に悪いものなのでなくさないといけない、なんて考える必要はないよ。
最初は、たまに回避行動をやめてみることから始めて、一時しのぎが必要なくらい落ち込んでいる時以外には回避行動をやめられるよう、少しずつ考え方を変えて行こう!
回避行動を続けていても、現状は変わらない。自分にとってむしろマイナスになってしまう・・・。
うん。それなら、回避行動をやめるようにしないと!
そうしたら、回避行動に代わる別の行動を考えよう!
本当の自分の望みやしたいこと、楽しみたいことを考えて、回避行動の代わりにやれるようにするんだ!
自分の、本当の望み・・・。
これは考えるだけじゃなくて、実際にやることに意味があるから、今日や明日からすぐに始められるような現実的な行動を考えてね。
うーん、それなら・・・こんな感じかな?

 

回避行動に代わる別の行動

回避行動 社交的な集まりを、多忙を理由に断る
別の行動 顔を出すだけでも社交的な集まりに参加する
回避行動 朝起きられなくて、1時間近く、布団の中でぐずぐずしている
別の行動 布団から出て、お風呂を沸かして入る
回避行動 会社から帰ってきても、家の中の雑用をやらないで、テレビの前に座って、ぼーっとしている
別の行動 テレビを観るのは1時間と決める。終わったら、机の上の整理の計画を立てる。
回避行動 休日は、午後になってもベッドから出ず、結局外出しないで、家でゴロゴロしている
別の行動 休日は友人と遊びに行く。前の週には友人に約束を取り付けておく。
回避行動 くよくよ考えて寝つきが悪いため、毎晩ビールを飲んでから就寝する。
別の行動 就寝前はアルコールを取らず、リラクゼーションをしてから寝る
こんな感じかなぁ?
うんうん。いいんじゃないかな?
じゃあ次回は、この中からチャレンジする行動を選んでみよう!

 

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