リス太と学ぶ認知行動療法 ~「別の行動」にチャレンジしてみよう!~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

前回は、回避行動に代わる別の行動を考えてもらったところまでだったよね?
うん。今日はこの中から、実際にチャレンジするものを選ぶんだよね?
そうだね。計画を立てただけで実行に移さなければ、憂鬱な気分は改善されないよね?
無理な計画は立てず、毎日、ほんの少し勇気を出せばできるという自信が持てる行動を選ぶようにしよう。
やらなきゃいけないことでも、ついつい先延ばしにしちゃうことってあるもんね・・・
これも「回避行動」、だよね。
その通り。今日済ませたほうがいいことでも、「今日は面倒だから明日やろう」なんて思うことは誰にでもあるようなことだよね。
でも、憂うつな気持ちが強いときにはそのような先延ばしばかりになって、本当にやりたいことまでも先延ばしにして、やらなくなってしまうんだよ。
そうすると、楽しみや興味を持てることがどんどんなくなってしまって、ますます落ち込んだり、無気力になってしまうことに繋がり、悪循環に陥ってしまうんだ。
どんな小さなことでも、やりきれば達成感を得られるし、まずは行動を起こすことで気分を改善していかないとね。

目の前の恐怖は大きく、喜びは小さく感じる

前回、半年後に行く旅行をすっごく楽しみにしてたのに、1週間前に迫ってくるとなんだか面倒に感じる っていう例を出したのは覚えてる?
覚えてるよ!
それは、予定が目前に迫ると悪い面が実際以上に大きく見えて、逆に良い面が小さく見えてしまうからなんだ。
うーん、どうしてそうなるんだろう?
実はこれは、動物として当たり前のある本能が原因なんだよ。
動物としての本能?
そうなんだ。例えば、ある動物が食べ物を見つけたんだけど、それが直径1mの深い穴を超えないと行けないところにあったとしたら、その動物はどうするだろう?
ううん、落ちたら死んでしまうかもしれないから、諦めちゃう、のかな?
そうだね。動物は死の恐怖を感じると、その状況を避けようとするんだ。
つまり、「恐怖」という感情は死に直結するためにとても大きい影響を与えて、その先に待っている「食べ物が手に入る」という喜びはとても小さいものであると感じられるんだよ。
なるほど。そうやって身を守っているんだね!
ところが、動物の中には、恐怖の感情を抑えてその先の喜びに手を伸ばせるものがいるんだ。なんだかわかるかな?
ええっ? うーん・・・全然わからないよ。
ヒントは、その動物は大脳皮質が発達しているっていうことだよ!
理性的に考えることで恐怖を抑えるんだ!
と、いうことはもしかして・・・人間?
大正解! さっきの場面を思い浮かべてみて?
人間だったら、1mなら飛び越えられるかもしれないと穴がないところで試しに飛んでみたり、通れるように橋を架けたりして、穴の先にあるという恐怖を乗り越えて進むことができるよね?
本当だ! 穴の先に進めるとわかれば、恐怖よりも、その先にある喜びを目指すことができるね!
こんな風に、目の前の恐怖を大きく、その先の喜びを小さく感じたときに、理性によって恐怖を抑え、喜びを大きくして進んできたのが人間なんだ。
ほかの動物が使えない「火」を使いこなしていったことがわかりやすいんじゃないかな?
確かに・・・。 「火傷するかもしれない恐怖」よりも、「明かりや温かさという喜び」を取ることができたんだね。
回避行動に代わる別の行動もこれと一緒だよ!
動物の本能で、目の前の恐怖は大きく、喜びは小さく見えるけど、感情と理性でバランスを取って、社会に適応した行動をとれるようになろう!

「別の行動」チャレンジ記録表

さて、それじゃあ前回考えた回避行動に代わる別の行動の中から、チャレンジしてみるものを決めようか。
やり方は15分間活動の時と同じく、6日間毎日それをやってみること!
いつでもできるわけじゃないものもあるようなら、機会があればやるチャレンジと毎日やるチャレンジをそれぞれ考えてみると良いよ!
よーし、それじゃあ、僕がチャレンジするのは・・・。

 

① 毎日チャレンジ
布団から出て、お風呂を沸かして入る
② 機会があればチャレンジ
顔を出すだけでも社交的な集まりに参加する
機会があれば集まりに顔を出すようにして、布団から出てお風呂に入るのは必ず毎日できるように頑張ってみる!
いい感じだね!
それじゃあ6日間挑戦してみて、また来週結果を聞かせてね!

 

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