リス太と学ぶ認知行動療法 ~自虐的思い込み尺度~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

前回の垂直矢印技法は覚えているかな?
「もしそれが真実なら、なぜ私は動揺するのだろう?私にとってそれはどんな意味があるのだろう?」という意味を持つ垂直の矢印を使って、否定的思考から自虐的思い込みを探していくものだったよね。
そうそう。垂直矢印技法は自虐的思い込みを特定するのに効果的な方法だけど、今日はもう一つ、別の方法を紹介するよ。
あ、そういえば、2つ方法があるって言ってたもんね。
今日紹介するのは、「自虐的思い込み尺度」だよ!

 

自虐的思い込み尺度

今回紹介する自虐的思い込み尺度は、もしかしたら前回よりも簡単かもしれないね。
そうなの?
うん。なぜならこれは、35項目の質問に答えてもらうだけでいいんだ。
それじゃあ僕は今から、それらの質問に正解しなきゃいけないんだね。
うーん、正解があるものではないんだ。
日常的な考え方や感じ方にもっとも近いと思うものを選んでくれればOK!
正しい答えや間違った答えがあるわけではないんだね。わかった、やってみるよ。

 


まったくそう思わない

ほとんどそう思わない

どちらでもない

ややそう思う

強くそう思う
1.批判されると、私はとても動揺することが多い。
2.人から認めてもらわないと、自分はあまり価値がない人間と感じる。
3.自分が幸せで価値ある人間と感じるためには、人から認められることが必要だ。
4.批判されると、私はときどき自己防衛過剰になる。
5.私の自尊感情は、他人が自分をどう思うかにかかっている。
6.誰かに愛されていないと、私は幸せや満足を感じることができない。
7.愛されていなければ、私は不幸せになってしまう。
8.誰かに拒絶されるようなことがあれば、私は自分にどこか悪いところがある、と思ってしまうだろう。
9.自分が幸せで価値ある人間と感じるためには、愛されることが必要だ。
10.ひとりぼっちで、愛されていないときっと不幸せになる。
11.ときどき自分があまり成功者ではないと考え、動揺する。
12.すぐれたキャリア、社会的身分、富、名声などの持ち主は、とりたてて成功していない人よりはきっと幸せになる。
13.大きな業績をあげた人は、そうでない人より価値の高い人だ。
14.自分よりも知的で成功した人に、私は劣等感を持つことがある。
15.私の自尊感情は、自分がどれだけ生産的で成功したかに大きく左右される。
16.失敗したりミスを犯せば、人々は私をつまらない人間と考えるだろう。
17.失敗したときは、自分が価値の低い人間と感じる。
18.今までに犯した失敗を知ったら、みんなは私を軽蔑するだろう。
19.自分がミスを犯すと、私はいつもかなり動揺する。
20.私はいつも完璧をもとめて努力すべきと感じる。
21.他人が自分の期待に応えないと、私はしばしば動揺する。
22.私は他人からもっとよい待遇を受けて当然と感じることが多い。
23.人間関係上の問題は、たいてい私ではなく、他人に責任がある。
24.私は良く他人に欲求不満や怒りを感じる。
25.私は他の人からもっとよい待遇を受けるに値するような気がする。。
26.他人が私に怒っているのを見ると、自分のせいと感じることが多い。
27.友人や家族と上手くいかないと、私は非常に自己批判的になる。
28.人間関係に問題があるとき、私は通常自分に責任があると感じる。
29.誰かが私に怒っているときは、通常私に責任があるような気がする。
30.誰かを喜ばせることができないと、私は自己批判的になる。
31.ものごとが良い方向に変わるかどうか私は悲観的に思う。
32.私の人生で起こる問題の解決は、非常に困難か不可能である。
33.いやな気分になる理由は、自分がコントロールできない要因によるものと思う。
34.私は、自分が本当に幸せで価値ある存在と感じることはないと思う。
35.私の問題を解決する上で、他人が助けになることはほとんどない。

 

どうだったかな? つぎに、回答した結果を集計していくよ!
どうやって集計すればいいの?
それぞれの回答についている数字を点数として合計していくんだけど、このとき、5項目ごとにグループを作って別に集計するんだ。

 

思い込み 項目番号 合計点
1.承認依存度 1 ― 5
2.愛情依存度 6 ― 10
3.業績依存度 11 ― 15
4.完全依存度 16 ― 20
5.全能感 21 ― 25
6.自己非難度 26 ― 30
7.絶望感 31 ― 35

 

おお、なるほど。 それぞれの思い込みについて、自分がどれくらい強く持っているかわかるんだね。
0点から10点くらいの思い込みは、心理的に強いところだよ。点数は低いほど良好といえるんだ。
一方、11点以上のところは感情的に弱い部分で、ここが課題となる領域なんだ。
自分の自虐的思い込みがわかったら、今度は改善していかないとね。
よし、それじゃあ次回、自虐的思い込みの修正方法についてやっていこう!

 

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