不安から自分を解放してあげる処方箋 ~その37 「満たされない」のは何?~

敵を作るのは、自分が満たされていないから

  • 私が評価されないのは、○○という他者に原因がある。
  • 頑張って認めてもらえれば、それでいい。
  • こんなに頑張っているのに、どうしてわかってくれないんだろう?
社会の常識、他人の目線・・・
うん、「これやったら怒られちゃうかな」って考えることってあるよね。
でもこれらの傾向が強すぎると、「認めてほしい」とか「満たしてほしい」という依存状態になっちゃうんだ。

「認めてほしい」から「満たしてほしい」に変わっていく

「認めてほしい」が強いとどうなるか

自分より優秀な後輩が入社してきた、恋人の交友関係が気になる・・・

そんな場面で「私のほうを見てほしい」「私のほうを評価してほしい」と思うことがあるもの。

意識しないうちに敵を作りだし、卑下したり欠点をあら探ししたり・・・

これらは「認めてほしい」という欲求から来ています。

この欲求から敵を作り、争い出してしまうのを避けるためにはどうしたらよいのでしょうか。

自分の本心が行方不明に!

この「誰かに認めてほしい」「評価してほしい」という欲求が強くなると、その相手の好みを優先し、自分の欲求や感情を抑えて無視するようになります。

「認めてほしいから、今は自分のきもちを抑えて、相手が喜びそうなことをしよう」といった具合です。

これを繰り返しているうち、自分の本心、自分が本当にしたいことが見えなくなっていきます。

そうして、「誰でも、何でもいいから認めてほしい」という状態になっていきます。

欲求を満たせない不満は、「満たしてほしい」へと変化する

しかし、認めてほしい欲求の反対側に、自分の本心の欲求はきちんと生きています。

この欲求は押さえつけられて満たされることがなく、ずっと心のどこかで不満を感じています。

自分自身で本心の欲求に気づかず、そのうえ「何を認めてほしいかわからない」ままだと、「何でもいいから認めてほしい」という気持ちだけが残ります。

この「とにかく認めてほしい」気持ちも、本心がわからないから誰も満たしてあげることができません。

満たしてもらえることがないまま「誰でも、何でもいいから、満たしてほしい」という状態へと変化していきます。

「満たしてほしい」だけでは伝わらず、敵になる

他人に認めてもらうために、他人の好みに合わせていると、自分の本心に気づけなくなっていきます。

こうして「だれでも、何でもいいから満たしてほしい」という状態の人同士では、お互いに「わかってほしい」と思うでしょう。

お互い、「わかってあげたい」「満たしてあげたい」と共感するもの。

しかし、本人が「自分は何を満たしてほしいのか」「なにをわかってほしいのか」がわからないので、「あれも」「これも」と無限に繰り返すでしょう。

何をしても満たしてあげることができず、満たしてもらうこともできないのです。

自分の本心をわからずに「わかってほしい」「満たしてほしい」という要求をくりかえしていると、「わかってくれない」「認めてもらえない」状況で感情的になったとき、敵を生み出してしまいやすいのです。

 

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