ワンランク上の感情ケア ~その1 イライラをやめたい! でも怒りってどんなもの?~
目次
ストレスのほとんどはイライラ!
- ダメ出し、否定意見ばっかり。
- 思い通りにならない! 指示通りに動いてくれない!
- なんで私だけなの?
「ストレスがあるな~」と感じるのは、実はイライラ・怒りではありませんか?
強いストレスだと感じる人が多い「怒り」「イライラ」。
職場、学校だけでなく、家庭でも、プライベートでも、ネットでも、どんな場面でも感じるイライラ。
誰にでも怒りやイライラはあるものですが、人前で爆発させるわけにもいかず、ためこみがち。
その我慢がさらなるストレスになっていきますね。
どうしたらよいのでしょう?
怒り・イライラとはそもそも何なのか
負の感情にも種類はたくさんある
ストレスにも、色々ありますよね。
- 周りの目が気になる、否定されるのが怖い。だから言いたいことが言えない。
- 疲れている気がするけど、休むのは後ろめたい。体力がないのが悔しい。
- 頑張っているつもりだけど、結果が出ない。頑張っているだけじゃだめ。
そんな「悔しい」「悲しい」「苦しい」を上回って、「イライラ」が一番ストレスになりやすいもの。
これは、実は自分を守るためのサインとして、怒りが必要だからなのです。
しかし私たちは、「怒りはコントロールするもの」と、怒りを感じたがらず、遠ざけたがります。
- 感情的になるのはいけないこと、短気なのはいけないこと。
- 人前で怒るなんてみっともない。
- 怒ってしまったことで、自己嫌悪になる。
どうしてなのでしょう?
自分を守るための「怒り」とは?
ずばり、怒りとは、自分を守るためのものです。
どちらのほうが「怒り」が沸いてくるでしょうか?
(A) 大切にしていた服を汚された。
(B) 買い替えようと思っていた服を汚された。
大切にしているものを傷つけられる。
そんなときにあらわれてくるのが「怒り」です。
今回の例では、(A)の方が「怒り」を感じやすい状況ですね。
動物などにも怒りはあります。
怒りは、生命を守るために大切なものなのです。
たとえば、自分の食料や、住処、家族を狙われたとき、攻撃されたとき。
ここで「怒り」によるエネルギーを爆発させることで、私たちは大切なものを守ってきました。
私たちには「怒り」という、エネルギーを集中・爆発させるための感情が必要だったのです。
じゃあ、今は「怒り」は必要ないんじゃない?
だからといって、現代社会で「怒り」が不要かといえばそうではありません。
現代社会では、物理的な侵害が少ない変わりに、仕事や対人関係といった間接的な侵害は残っています。
「ダメ出し、否定意見ばかり」という状況のイライラは、「自分の考え・能力」という大事なものを守るためのものです。
「思い通りにならない」というイライラは、「自分の理想・将来像」という大事なものを守るため。
「どうして私だけなのか」という怒りは、「集団での自分の立場」という大切なものを守るためのものなのです。
イライラ・怒りは感じないほうがいい?
守るためのものだけど、イライラしてはいけない、怒ってはいけない、と思い込んでいませんか?
そうして怒りが不要だと感じているのは、教育・文化が背景にあります。
- 人前で怒るなんて、みっともない。
- 怒りっぽい人、短気な人は嫌われる。
- 怒るということは子供っぽいということ、大人になれていない。
- 攻撃してしまって、人間関係を悪化させてしまった経験。
そんな「怒り」に対するネガティブなイメージ、経験はありませんか?
周りの大人たちも、そんなふうに教育してきませんでしたか?
これが「怒り」そのものをダメなものだと感じて遠ざけてしまう理由です。
実は、手段さえ間違わなければ、怒りというのは対人関係を向上させてくれるものなのです。
怒りによる攻撃も、衝動的な攻撃だから疎まれます。
段階を踏んで怒りを伝えることで人間関係は向上する、ということを知らないだけなのです。