ワンランク上の感情ケア ~その4 怒りを上手にコントロール!~

怒りを感じたらやるべきこと

家庭でも職場でも、学校でもプライベートでも、怒りというのはどこでも発生します。

しかしそれを衝動的にぶつけてしまうと、周囲の人への印象は悪いものとなってしまいますね。

自分がしっかりクールダウンできる方法を探して、衝動的にならずに済むようにしておきましょう。

クールダウンの具体的な方法は前回の記事をご覧くださいね。

さて、今日は一度落ち着くことができたらすべき、「怒りを伝える」方法についてご紹介していきます。

上手に怒りをコントロールする!

何がイライラの原因?

怒りとは、自分の大事なものを傷つけられている、自分に不都合なことが発生するぞというサインです。

さて、何を傷つけられそうになったからイライラしたのでしょうか。

分析してみましょう。

理不尽な指示に対してであれば、自分の時間や、他のすべきことを守ろうとして、怒りが発動しています。

指摘や否定に対しての怒りは、自分の考え方を傷つけられている、というサインです。

思い通りにならないことへの怒りは、相手のあるべき姿や、自分の育成方針、自分の価値観の侵害だととらえているサインです。

ルールを守らない人・不正への怒りは、自分たちのルールを守らなければ集団が崩壊するから、集団を守るために発生しています。

自分は、何を傷つけられたのか、何を侵害されたと感じたのか、明確にしましょう。

  • いつも私の意見を否定する人がいる。
  • あの人への怒りは、「私の考え方、価値観を傷つけられた」という怒りなんだな。

アイディアを出す

自分が大事にしているもの、イライラの原因が明確化されたら、大事にしているものを守るための行動を考えていきましょう。

突然スケールが変わるものではなく、目の前にある、解決できそうな手段から考えていきます。

またしっかりクールダウンできていない状態では、攻撃的なアイディアしか浮かびません。

建設的なアイディアを出せるよう、きちんと気持ちを落ち着かせておきましょう。

  • 私の怒りは、「自分の考え方を大事にしたい」というものだ。自分の考えを守るためには・・・
  • ①相手から聞く:今回はどうして否定されたんだろうか、相手の主張の理由を聞いてみよう。
  • ②複数案出す:ひとつしか意見を言わないからかもしれない。いくつか別の方向の意見を考えておくようにしてみる。
  • ③すりあわせる:あらかじめ、相手との方向性の違いをすりあわせておく。
  • ④深める:自分の主張の裏付けをもっと深めて、説得力を持たせておこう。

どれが一番やりやすい?

いくつかアイディアが沸いたら、やりやすそうな順番を考えていきましょう。

このとき、手軽に実行できるかどうか、効果は高そうかどうか、という点を考えます。

手当たり次第に実行すると失敗します。

手軽で効果がそこそこなものを試してから、手はかかるが効果が高そうなものを実行する、といった具合に順番を考えましょう。

  • 「④深める」は、否定される・肯定されるにしても必要だろう。
  • 「③すりあわせる」は先にやっておくべきだろう。
  • すりあわせができても、できなくても「②複数案出す」は実行してもよいだろう。
  • 「②複数案出す」のは、時間はかかりそうだけど、そのあとで「①相手から聞く」につなげられるだろう。

繰り返す? 考え直す?

実践してみて、結果はどうだったでしょうか。

もし効果が感じられれば、そのまま同様の手段を継続していくことで、怒りの再発は予防できますね。

一方うまくいかなかったのであれば、再度分析・アイディア出しをする必要があります。

どの程度効果があったのか、まったくなかったのか。

失敗した点を改善できるとすれば、どこか。

もっと円滑に実践するためにできることはないか。

これらを分析して、大事なものを守る方法をブラッシュアップしていきます。

  • 「④深める」は自信を持つためにも大事だと感じた。次回以降も実行していく。
  • 「③すりあわせる」の段階で断られてしまった・・・次はタイミングを考えてみよう。
  • 「②複数案出す」のおかげで、否定の数は減った気がする。様々な方向から提案したことで、方向性も見えた気がする。継続しよう。
  • 「①相手から聞く」のは、納得がいかないときには必要かもしれないが、毎回必要というわけでもないかもしれない。

きちんとクールダウンできていれば、実現性が高く、効果が高そうなアイディアが浮かびます。

冷静に実行することで、自分の行動の欠点が見えたり、手段の改善点が見つかったりもします。

怒りが爆発しやすい人は、クールダウンと、守りたいものの分析・対策ができていないことが多いものです。

クールダウンできたら、ぜひこの分析と実践を試してみてくださいね。

 

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