双極性障害(躁うつ病)ってどんな病気?

あなたはこんな経験ありませんか…?

【1】営業マンとしてバリバリ働いているあなた。
連日残業が続いても元気いっぱいハイテンション。
最近、会議での発言がどんどん過激になってきました。
どこまでが本気なのか分からない発言や、実現不可能なプロジェクトを提案してみたり…。
ところがある日突然、ぷっつりと糸が切れたように意欲がなくなり、
仕事にも行けなくなってしまいました…。

【2】このところ、気分が落ち込み気味のあなた。
メンタルクリニックで「うつ病」と診断されました。
処方された薬を服用しているものの、気分の落ち込みはなかなか改善されず、薬は増える一方…。
「本当にこれで治るのか?」
と、だんだんイライラしてきて、怒りが爆発。
興奮が収まらずあちこちに電話をかけまくります…。

【3】妊娠を機に会社を辞め、念願の子供を出産したあなた。
あんなに欲しかった赤ちゃんなのに、出産後、なぜか子育てや家事に身が入らず、
ぼーっとするばかり…。
気晴らしに高価な洋服やアクセサリーをカードでバンバン購入。
ついには別荘まで買おうとして自己破産寸前…!

もし心当たりがあったら…あなたは「双極性障害」かもしれません。

「双極性障害」はこんな病気

上の例で挙げたように、元気いっぱい、気力がみなぎり、意欲満々の「躁」状態と、
憂うつで、何をするにも意欲がなくなり、おっくうな「うつ」状態。
この正反対な状態を行ったり来たりするのが「双極性障害」という心の病気です。
(以前は「躁うつ病」と言われていました)

「双極性障害」の特徴は?

「双極性障害」の特徴として、社会的・人間関係的損失が大きくなりすぎる、
という点があげられます。
より深刻なのが「躁」状態の時です。
「うつ」の時は、エネルギーが枯渇し、非活動的になりますが、
「躁」の時は気分が高揚しすぎて、あらゆる欲求が高まり、ブレーキがききません。
常軌を逸した行動は、周りの人が心配し、困惑することすらあります。
本人は自分の行動がおかしいという自覚がないため、
自ら治療を受けようという気にはほとんどなりません。
そのため、周囲の人間が異常な行動に気づき、早期に受診させることが重要になります。
また、再発しやすいという特徴もあります。
薬によってコントロールしていくことが再発防止には欠かせません。

「双極性障害」になる原因は?

「双極性障害」の原因は、まだはっきりと解明されていません。
しかし、遺伝子や生育環境、慢性的なストレスなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症するのではないかと考えられています。
また、「双極性障害」は、どんな性格の人でも発症すると言われています。

「双極性障害」には2つのタイプがある

「双極性障害」には大きく分けて2つのタイプがあると言われています。

双極性Ⅰ型障害

Ⅰ型「躁」状態がはっきりしていて重いのが特徴です。
気分が高揚して自信過剰になったり、多弁になって周囲の人を疲労困憊させたりします。
勉強や仕事には熱心に取り組みますが、集中できないため、なにひとつ成し遂げることができません。
他人への攻撃性が増し、トラブルで仕事を失ったり、ギャンブルにのめり込む、結婚生活が破綻するなど、人生に深刻なダメージをこうむることがあります。

双極性Ⅱ型障害

「うつ」の部分は、Ⅰ型と同じですが、「躁」状態が軽いため、単なる「うつ病」と間違われることがあるのがⅡ型です。
軽い「躁」状態は、その人の性格や個性とみられ、トラブルを起こすこともほとんどないため、見過ごされることも少なくありません。
「躁」が軽いため、「うつ」状態を実際以上に深刻に受け止めたり、病院で抗うつ剤を処方されたりするため、有効な治療を受けられない可能性もあります。
また、Ⅰ型の人はⅡ型より自殺率が高く、摂食障害、不安障害、アルコール依存症などとの合併がしばしばみられるため、「躁」状態が軽いからといって病気を軽くみるのは危険です。
 
 
次回は、「双極性障害」の可能性を調べるチェックリストを紹介します。

 

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