通院すべき? ~HSP、些細なことに過敏①~

最近話題のHSP、知っていますか?


最近書店やネット、テレビなどで話題にあがることがある「HSP」(Highly Sensitive Person=非常に繊細な人)について、ご存知ですか?

病気や症状、というわけではないのですが、

人よりも繊細である、些細なことに気が付きやすい、という個性を持っている人々のことを指します。

昔から、他人の気持ちや考えに共感しやすい。

慎重で、よく考えてからでないと行動できない。

感覚が人よりも敏感で、するどい。

例を上げるとこのような特徴になりますが、こういった特徴があり、生きづらさ、周囲との差を苦痛に感じてしまっている人もいます。

HSPは後天的なものではなく、生まれてついてからずっと持っている特徴だとされています。

1990年代に誕生した、新しい概念です。

些細なことでも過度に受け取ってしまう・・・辛いと感じたら

しかし、HSPというのはあくまで概念であり、医療の対象外です。

HSPの基準となる項目がいくつかありますが、それらすべてに当てはまったからといって、病気であり、治療が必要だ、というわけではありません。

治療が必要となるのは、その特徴のために社会生活や対人関係などで著しい苦痛がある場合。

そして、HSPの特徴がそれほど苦痛を与えているとしたら、診断名は”HSP”ではなく、”強迫性障害”や”不安障害”などの名前になってくるでしょう。

HSPというのは症状の名前や病名ではなく、あくまで「非常に繊細だという正確の特徴」という概念にとどまります。

HSPだからといって、必ずしも強迫性障害はパニック障害、不安障害などの病名がつくわけでもなく、

HSPの特徴を持っているからといって治療やケアが必要だ、というわけでもないのです。

診断や治療が必要なのは、HSPの特徴が、生活上の極度の苦痛につながってしまっている場合なのです。

もしもHSPの特徴にすべてあてはまり、辛いと感じているのであれば、通院して診断をあおぐ、ということも検討すべきでしょう。

”すべてに当てはまる”かが重要! HSPの特徴とは

HSPの特徴は4つあり、この4つすべてに当てはまれば、HSPだということになるでしょう。

特徴1:考え方が人より複雑で、よく考えてから行動する。

特徴2:あらゆる刺激に敏感なため、疲れやすい。

特徴3:他人の気持ちに振り回されやすい。他人の気持ちに共感しやすい。

特徴4:あらゆる感覚が鋭い。

いかがでしたか?

もし4項目”すべて”に合致するのであれば、HSPだということになるでしょう。

何個か当てはまった場合

ここでよくあるのが「3項目に当てはまっていたら、HSPの傾向があるということ?」という問題。

HSPは、うつや発達障害などとちがい、病名ではなく、他の病気の診断基準でもありません。

先述のとおり、「すべてにあてはまればHSP」と定義されている、あくまでも性格の傾向、個性です。

3個あるいは2個あてはまったからといって、「HSPだから治療が必要」というわけでもありませんし、

「HSPの傾向があるから、注意が必要」と警戒する必要もありません。

そういった個性を持っているだけに過ぎないのです。

しかし、もしその個性で苦しんでいるのであれば、それはHSPではなく他の診断名になるでしょう。

「繊細すぎて、人前に出ることが恐怖で外出できない」のであれば不安障害や気分障害の一種でしょうし、

「感覚が尖すぎて、行動に支障が出ている」のであれば強迫性障害などの病名になるでしょう。

HSPにこだわらない

4項目にすべて当てはまったらHSP。

3項目以下なら、HSPではない。

ということではありますが、HSPは病気ではありません。

生まれつき持っている、性格・感覚の特徴で、少しだけ神経過敏、という個性です。

だから、治療が必要だ、病気だ、というわけではないのです。

しかしながら、通院し治療を検討するほうがよい場合もあります。

それは、HSPでありその特徴で困っている場合と、

HSPの特徴にすべてはあてはまらないが、それらの特徴が影響し日常生活や社会活動上で著しい支障が出ている場合。

これらの場合、HSPの傾向があるからという理由ではなく、

その他の状況もふまえると不安障害、気分障害などの症状にあてはまることが多く、それらの治療を行っていきます。

 

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