認知行動療法講座「自動思考による影響を知る」
認知行動療法講座
前回、認知行動療法講座は初回に戻り、再度復習が始まりました。
今回は、”自動思考”について復習していきます。
自動思考による影響を知る
前回の復習において、認知行動療法の基盤となる「気持ちは考え方に影響される」ということについて話しました。
この考え方というのは、多くの場合、じっくりと考えて出た結論ということではなく、その場で起きたことに対応して浮かんできた思考であるかと思います。
そのような、何かしらの事柄が起きた時に頭の中にぱっと浮かんでくる考えやイメージのことを、「自動思考」と呼びます。
前回、夜道で迷った時にどう考えるかによって浮かんでくる感情も異なる、ということについて話しましたが、この際の
「もっときちんと準備していればこんなことにはならなかったのに」
「教えられた道が間違っていた。なんていい加減な奴だ」
「人気のない道だし、危険な野生の動物が近くにいるかもしれない」
などといった考えは、すべで自動思考であるということができるでしょう。
同じ状況でも、人により自動思考の内容は千差万別であり、浮かんできた考えの違いが、気分や行動の差となって表れるのです。
また、自動思考は、ストレスの影響からも浮かぶものが変わってきます。
辛くなっている時は物事を現実以上に悲観的に捉えてしまいやすくなりますし、不安になっている時には危険に対して過度に敏感になることもあるでしょう。
これらは、ストレスが溜まるにつれて物事の悪い面をとらえた考えが咄嗟に浮かびやすくなっていることに起因しているのです。