寒い日には・・・ほっこりてぶくろ

今日、10月29日は「手袋の日」です!
「て(10)ぶ(2)く(9)ろ」の語呂合わせと、素手で行う作業がつらくなり手袋をし始める時期に入ることから、総合手袋メーカーの株式会社東和コーポレーションが制定。この日は、毎日人々の手を守り続けている「働く手袋」への関心を高めてもらうことを目的として、情報発信の機会としている。作業用手袋は仕事現場だけでなく園芸や日曜大工など様々な場面で使用されており、その販売総数は日本国内だけで年間約1 億3500 万双を超えている。ちなみに、手袋は左右二枚一組で「1 双」と数える。

 

 

リス太:てぶくろといえば、おはなしの「てぶくろ」が有名だよね。

今日はそんな「てぶくろ」のおはなしを紹介するね!

 

 

雪の積もった冬のある日、きつねの親子は外に出ます。こぎつねは言いました。

「お母ちゃん、お手々が冷たいよう」

親ぎつねは子ぎつねをあやしながら、かわいい坊やのために夜になったら

手袋を買いにいくことにしました。

 

夜になり、町の近くまできましたが、

母ぎつねは町の明かりを見るなりおびえました。

 

むかし、

人間に追いかけまわされた記憶があるからです。

 

「坊や、お手をお出し」

言われたとおりに子ぎつねは手を出すと、その手は人間の手になっていました。

「町へいったら人間の家がたくさんあるから、まるい帽子屋さんの看板をお探し。

それから戸をたたいてなかのひとが戸をすこしだけ開けるから、こっちの人間の手を出して、

この手にあう手袋をちょうだいって言うんだよ。ぜったいにこっちのお手々は出しちゃいけないよ」

 

「どうして」

「人間はこっちがきつねだってわかると手袋を売ってくれないどころか、

つかまえて檻のなかに入れちゃうからだよ」

それだけ言うと、親ぎつねはふたつの白銅貨を持たせ、町へと降りていく子ぎつねを見送りました。

 

子ぎつねは看板を見つけて戸をたたくと、

聞いたとおりに戸がちょっとだけ開いたので、

「この手にあう手袋をちょうだい」

と言いました。

親ぎつねの言いつけを守ろうとしましたがついうっかり、

まちがえてきつねの手を差し出してしまいました。

 

しかし帽子屋さんは

「さきにお金をくださいな」

と対応すると、子ぎつねは持っていたお金を素直に渡しました。

帽子屋さんは木の葉ではないほんもののお金だとわかったので、

子ぎつねの手にちょうどいい手袋を持たせてあげました。

 

帰りがけ、illust787

「お母ちゃんが言うより、人間はこわいものじゃないよ。

だってぼくの手を見てもなにもしなかったもの」

そんなことを思いながら子ぎつねは歩いていました。

 

すると窓の下を通りかかったとき、やさしくて美しい声が聞こえてきました。

それは人間の声ではありましたが、子ぎつねはすぐに子守り歌だとわかりました。

じぶんが眠るとき、お母さんは決まってあんなやさしい声で寝かしつけてくれるからです。

 

「お母さん、こんな寒い夜は森の子ぎつねも寒いってないてるんだろうね」

子どもの声でした。

お母さんの声が答えました。

「子ぎつねもお母さんぎつねのお歌を聞いて眠ろうとしているんでしょう、さあ坊やもねんねなさい。

森のこぎつねと坊や、どっちがはやく寝るでしょうね?」

それを聞くと、子ぎつねはお母さんぎつねが急に恋しくなって飛んで帰りました。

 

無事をよろこぶお母さんぎつねにあうなり、子ぎつねはこう言いました。

「人間なんてちっともこわくないよ」

「どうして」

 

「まちがえてほんとの手を出しちゃったけど、こんなあたたかい手袋もらったんだから」

 

リス太:ちょっとほっこりしたなあ・・・寒いのも悪くないかも。

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