リス太と学ぶ心の病 ~学習障害(LD)って何だろう?~

前回はADHDについて紹介したね。
うん! 注意欠陥多動性障害という障害で、不注意、衝動性・多動性といった特徴があるんだよね。
そうそう。 今回はLD、学習障害についてお話ししていくよ!

 

LDの特徴

学習障害、といっても全体的に障害がある、というわけではないんだ。
特定の分野のだけ、っていう感じだったよね。
そうそう。文字は読めるけど書くのが苦手、逆に書けるけど音読み・訓読みの判別ができていない、計算が苦手、とかだね。ちょっとずつ見ていこう。

 

読字障害

文字通り、文章を読む力に障害がある場合。読む力って、文字と発音だけじゃなくて、話の流れや意味を読み取るとか、けっこういろいろなところに生きてくるんだけど、そこに障害がある場合。
たとえばー?
漢字の訓読み・音読みを使い分けること、単語・文節の単位をつかむこと、とかが苦手なことがあるよ。

 
・文字や行を飛ばして読んでしまうことが多い

・拗音(「ゃ」「ぇ」など)、長音(「リスタート」の「-」など)、促音(「切手(きって)」の「っ」など)が発音できない

・単語・文節の途中で区切って読むことが多い
 

ほかにも上記のような特徴がある場合、読字障害が疑われるよ。

 

書字障害

これは文字を書くときの障害ってことだね。
そう。ひらがな、カタカナ、漢字、それぞれ苦手なことがあるよ。

 

・漢字が鏡文字になることが多い、雰囲気は似ているが違う文字を書く

・文字に余分な点・線を書いてしまう

・文字の大きさや形がバラバラになる

・作文が苦手
 

上記のようなことがあてはまったら、書字障害かもしれないよ。

 

算数障害

数学が苦手な人っているとおもうんだけど、ちょっと違いそうだね。
そうそう。数学だけじゃなくて、「数」そのものが苦手なことがあるんだ。

 

・数を覚えるのに時間がかかる

・数の大小の概念を理解できていない

・九九を覚えられない、覚えても計算に応用できない

・繰り上がり・繰り下がりの計算が苦手
 

上記のような特徴があるばあい、算数障害が疑われるよ。
大人になってからも使う能力だから、きちんと解決しておきたいね。
そうなんだ。大人になってからだと、電話を聞きながらメモを取れない、話をまとめられない・レポートを書けない、釣銭の計算ができない、などが障害として出てくることもあるんだ。

 

LDの原因

特定の学習だけが苦手ってことだけど、原因は何だろう?
実は、学習障害も原因は明確にわかっていないんだ。中枢神経系に機能障害があるのかも、とは考えられているよ。
なるほどー。
ほかの視覚、聴覚、知的障害とか環境が直接的な原因ではないよ。遺伝という説もあるけど、まだ研究データが出ていないから原因とは言い切れないんだ。
医学的にしっかり解明されてる、ってわけじゃないんだね。

LDの治療方法・解決方法

学習障害って、小学校にあがったくらいで特徴が出てきそうだよね。
そうなんだ。入学前に気づけたら教育機関に相談して、一緒に対応・指導の方法を考えていくよ。
なるほど、まず相談するところからなんだね。
そうそう。大人になってからでも、各都道府県・政令指定都市にある「発達障害者支援センター」で相談できるよ。発達障害の診断・支援を行っている病院を紹介してもらうんだ。
なるほどね! 病院ではどんな治療をするの?
まず、知能・認知の検査を受けるよ。そして、成育歴・既往歴などのテストも行って、いろんな角度から見て総合的に診断されるよ。
ふむふむ、けっこう綿密に診断されるんだね。
うん。あと、治療方法だけど、ADHDは薬での治療が有効だけど、LDでは薬での治療は有効じゃないんだ。
え、それじゃあどうやって解決していくのかな?
検査・診断の結果をもとに、学校での指導方法、状況に応じた対処方法を考えていくんだ。
支援が主ってことだね。
そうそう。入社後でも、書くことが苦手なら、パソコンを使うようにする、とか、困ることごとに対象方法を変えていくといいね!

 

障害で本人もつまづいてしまう、挫折経験になってしまっていることも多いよ。だから、できないことを怒るんじゃなくて、できたことをほめる、できないことは伝え方を変える、やり方を考える、という支援が基本になるよ。
本人の「やる気」を大切にしていこう!