リス太と学ぶ心の病 ~非定型うつって?~

今回からは、「非定型うつ」という疾患についてお話ししていくよ!
「非定型うつ」、聞きなれない名前だね。勉強してみよう!

 

非定型うつって?

眠れない、食欲低下、感情の低下、といった症状が「うつ」だったね。
うん。楽しんでいたことも楽しめなくなる、気力がわかなくなる、といった症状だったね。
そう。それらの症状が出るうつを「定型うつ」と呼ぶんだ。
ふむふむ。非定型うつというのは、定型の症状じゃないということだね。
そうそう。具体的には、楽しいときは喜べる、過食、過眠、といった症状があるよ。
たしかに、これまで勉強してきたうつとは違う症状だ。

非定型うつの特徴

気分反応性

非定型うつの最大の特徴ともいえる症状だよ。
普段は抑うつ的だけど、楽しいこと・うれしいことがあると改善する、という特徴なんだ。
嫌なことがあると落ちこんで、楽しいときだけ元気、という症状なんだけど、外からは「甘え」「都合がいい」と思われちゃいそうだね。
そう。ただその「気分の波を制御できない」というところが、非定型うつの症状なんだ。
なるほど。甘えとかではなくて、落ち込みや改善をコントロールできないということなんだね。

食欲・体重の増加

定型うつでは、食欲が出ない、おいしく感じない、という症状だったよね。
そうそう。非定型うつでは逆で、食欲が増加することが多いんだ。
それで体重も増加、ということだね。
そう。過食症のようになったり、嘔吐をくりかえしたりしてしまうこともあるんだ。

過眠

過眠かあ。うつだと不眠、眠れない、といった症状があるけど、非定型うつは寝すぎてしまうんだね。
そうなんだ。長時間睡眠しても日中もとても眠い、といったことが多いみたい。
寝ても寝たりない、というと生活リズムが崩れてしまいそうだね。
うん。また嫌なことがあったり落ち込んだりすると、ここでも眠気を強く感じるようなんだ。

不安障害

定型うつでも、合併症としてパニック障害・社交不安障害といった不安障害を併発することがあるけど、非定型うつうだとさらに併発することが多いんだ。
不安感、恐怖感を感じやすいということだよね。
そう。不安障害とまではいかなくとも、強く不安や恐怖を感じてしまうんだ。

拒絶過敏性・衝動性

拒絶過敏ってなんだろう?
これは、他人からの評価を過剰に、とくにマイナス方向に自己解釈してしまう症状なんだ。
たとえば、「その服似合っているね」と言われると「ほかの服は全く似合っていないんだ」と解釈して落ち込んでしまう、というようなことだよ。
なるほどー、コミュニケーションが難しくなってしまいそうだね。
そうだね。ミスを指摘されたときに自分の全て否定されてしまったように感じてしまうなど、社会生活そのものを恐れてしまうことにもつながるんだ。

鉛のような疲労感・麻痺感

うつでも疲労感が強いんだったね。
そうだね。非定型うつでも、疲労感や倦怠感が強く出るよ。
定型うつとの違いはあるのかな?
うん。定型うつの場合、朝がいちばん疲労感・倦怠感が強いんだけど、非定型うつの場合は夕方から夜の倦怠感が強いんだ。

非定型うつの原因は?

原因としては、現代社会の性質、脳の機能、といったことが考えられているよ。
現代社会の性質、って何か問題があるのかな?
人口や予定の過密・過多、情報の過剰、など、現代社会は刺激が多いね。「不安」「抑うつ」が多い社会ともいえるね。
たしかに、普段何気なく接しているけど、心にとっては刺激が多いのかも。
そう。あとは、脳内物質であるセロトニンなどの問題、ストレス中枢の異常、前頭葉の血流不足など、脳の機能異常といったことも原因と考えられているよ。
ふむふむ。脳の機能の問題というのは、うつでも原因のひとつだったね。
そうだね。あとは育ち方。育て方よりも、本人が愛情をどう感じて育ってきたかが原因のひとつだよ。
現代社会だと、共働きなどで、愛情の与え方・感じ方に変化がありそうだね。
うん。非定型うつは若い人に多いというのも、その原因があると考えられているよ。

若い女性に多い非定型うつ。
次回は、特徴や初期症状をさらに詳しく見ていくよ!

 

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