パーソナリティ障害を克服するための心理療法

パーソナリティ障害の多くの場合、本人はどこに問題があるのか理解していないんだ。
だから、望ましくない結果を引き起こしている本人の考え方・行動を、いろいろな精神療法を用いて繰り返し指摘していくのが主な治療だよ。

そう。また傾向によって、効果的な精神療法が異なるよ。少し見てみよう！

薬物治療、集団療法など様々あるけど、タイプによって異なるよ。

「自分は何をやってもうまくいかない。だから対人関係も避けよう」など、極端な思考をしていることがあるのがパーソナリティ障害。

そう。自分の感情、行動を客観的に・冷静に見れるようにする訓練と、適切な行動ができるようにするための訓練を並行して行うよ。

対面のカウンセリングだけじゃなく、グループでのスキルトレーニング、随時電話相談などによって治療をしていくよ。

うん。ただ、治療者が複数人必要であること、週に最低6時間半以上の治療が必要など、日本では普及が難しいと考えられているんだ。

デイケアやグループホームなどで、グループ療法や行動療法を繰り返すよ。

医師や臨場心理士などを中心に、同じ悩みを持つ人との会話をするんだ。

無謀な行動、孤立、自己主張の欠如、衝動的な行動など、悩みを共有することで、心の負担の軽減や、対人関係の改善が見込めるよ。

そう。だから、同居している家族、親族へも働きかける家族療法というものもあるんだ。

そうだね。家族関係の改善で、パーソナリティ障害が改善する場合もあるよ。

もし、不安・うつ症状などが苦しい場合は、この症状を軽減してから、精神療法などを行うよ。

そうだね。また、衝動性が強い、爆発的な怒りを起こしやすい、などの場合は、抗けいれん薬を用いることもあるよ。

ほかにも、境界性パーソナリティ障害に多い、離人症のような症状に効果のある薬もあるよ。

パーソナリティ障害の治療は、思いやりと、丁寧な指導だけで治療するわけではないんだ。
経験、熱意がある人が、じっくり治療していく必要があるよ

そう。親密になるほど、行動や対人関係、悩みの根源を理解できるよ。だから治療が長期間になることもあるんだ。

そういうこと。治療がすすんでも、不適切な行動はしなくなったけど対人関係はよくないまま、ということも多いんだ。

とはいえ、治らない、というわけではないから、地道な努力と、治療を継続することが、克服への一番の近道だよ。