「一部の記憶がすっぽりなくなる」「自分の感覚がなくなる」など、解離性障害について

これまで、ストレスや辛い体験が原因となる疾患をいくつかお話ししてきたね。

そうだね。今回は「解離性障害」という病についてお話ししていくよ！

僕たちは「自我」というものを持っているんだけど、どういうことかわかるかな？

そうそう。記憶、意識、知覚、アイデンティティ。これらは通常、自分の中に一つにまとめられているんだ。解離性障害とは、これらの感覚をまとめる能力が、一時的に喪失している状態だよ。

そうだね。よくある症状を見てみよう！

ある一部の記憶がすっぽり抜け落ちてしまう、一時的な記憶が全くない、という状態だよ。

今までの記憶を失い、失踪して新たな場所で生活を始めている、ということもあるんだ。

自分が自分である、という感覚が障害されるよ。自分を外から眺めている、というような感覚になることが多いよ。

複数の人格があり、それぞれ交代で表れる症状だよ。人格同士は、別人格が出現している間の記憶がないんだ。

原因としては、強いストレス、心的外傷が考えられているよ。

そう。事故などの一過性のストレスもあれば、性的虐待・戦闘体験など、慢性的に繰り返されていたものがあるんだ。

うん。つらかった経験を思い出すことも、ストレスになるよね。そのダメージを避けるため、緊急避難的に精神機能の一部を停止させている、と考えられているよ。