「今まで何をしていたんだっけ」「あのとき何が起きたのか思い出せない」一時的な記憶喪失「解離性健忘」について

解離性障害とは、辛い体験に対する防衛反応だったね。
記憶喪失や遁走などで、辛い体験を思い出さないようにしているんだよね。
そう。今日は解離性障害のうち、解離性健忘について、特徴を症状をお話していくよ。

 

一時的な記憶喪失、解離性健忘

解離性健忘は、一時的な記憶喪失、ということができるよ。
一時的、というのが特徴なんだね。
そう。認知症や物忘れとは違う点だね。
そういえば、物忘れとかは結構あるとおもうけど。。。
そうだね。よくある物忘れとの違いは、出来事全てを忘れてしまう、ということ
虐待、戦闘体験、災害などを体験したり目撃したり。そういった心理的なストレスが強かった出来事だけを、すっかり忘れてしまうんだ。
ふむふむ。どのくらいの期間の記憶なのかな?
数時間の記憶であることも、数年間のことをすっかり忘れてしまうこともあるんだ。
いずれも、認知症などとは違い、特定の出来事だけ・特定の時期のみ、と記憶がない時期が明確なのが特徴だよ。
思い出すのが負担になる出来事のみ忘れる、ということだね。
記憶は、一生思い出せないのかな?
そんなことはないよ。
数日で思い出すこともあるし、通常は治療で記憶を取り戻せるよ。
ただ、治療環境や本人の状況次第では、思い出せないままであることもあるんだ。
記憶がないから、健忘に気づかないということもありそうだよね。
そう。健忘のほかの症状で受診し、診断を進めると健忘であると判明することもあるんだ。
このため、解離性健忘は見逃されていることも多い、と言われているよ。

記憶を取り戻す、思い出すために

ストレスが原因となっているから、安心できる環境でないと、記憶を思い出せないことも多いんだ。
本人が安心できる環境を作っていくことが治療の基礎だね。
ほかには、認知療法、集団療法などの精神療法も用いられるよ。
どれも、主治医や周囲の人との信頼関係、理解が必要だね。
そういうこと。ほかの治療法としては、催眠というものもあるよ。
催眠!?
薬剤などで催眠状態において面談をすると、記憶を引き出せることがあるんだ。
ちょっと強引な方法なんじゃないかな。。。
そうなんだ。
催眠法は、どうしても思い出さなくてはいけない場合、記憶回復を急ぐ場合や、ほかの治療法で思い出せなかった場合に限られるよ。

 

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