自分の人生を支配している「思い込み」 ①

就労移行支援事業所 リスタート では、毎週金曜日に自己分析講座をやっています。

自己分析講座では、「自分を知り、人に説明できるようになること」と、「自分で自分にかけてしまっている『制限』に気づき、苦手を克服すること」の2点を軸に分析を進めています。

ここでは、自分について知り、『制限』から抜け出すために、「思い込み」というものについて考えていきたいと思います。

「性格」は実は「思い込み」?

あなたはどんな性格ですか?と聞かれたら、どのように答えるでしょうか。

「明るい」「暗い」「せっかち」「のんびり屋」「積極的」「消極的」

性格を表す言葉はたくさんあり、何かしら、自分に当てはまるのはこれだ、と言えるものがあるかと思います。

では、その性格であると言える「根拠」はなんでしょうか?

例えば、「自分は暗い性格である」という人であれば、挙げられるのはこんなところでしょうか?

「コミュニケーション力がなく、人と話すのが苦手」
「部屋に閉じこもりがちで、人の多いところが嫌い」
「ちょっとしたことで落ち込んでしまう」

さて、ではこれらの行動は、誰によってもたらされたものでしょう。

誰かに「あなたは人と話すのが苦手でいなさい」なんて言われたからやっているわけではないですよね。

これらの行動を選んでいるのは、他ならぬ自分自身なのです。

つまり、自分で選んだ行動の積み重ねによって出来上がったのが「暗い」という性格であり、「暗い」性格であるからこれらの行動を起こしているわけではないのです。

逆に言えば、性格というものは、選ぶ行動を変えていくことで変えていくことができるのです。

とはいえ、それはもちろん簡単なことではありません。

意を決して自分から話しかけたものの、うまく話を繋げられず、より苦手意識を持ってしまった、なんていうこともあるかもしれません。

実はこれこそ、「思い込み」の影響なのです。

「思い込み」=根拠なしにこうだと決めていること

思い込みは、言ってみれば「かけていることに気が付いていないメガネ」です。

メガネをかけている人は、メガネを通して本来見えるものとは違う世界を見ていますが、当然それがメガネを通しているからだと知っています。

しかし、思い込みというメガネはかけていることに気づいていないために、「メガネを通して見た世界」を、他の人にも見えている、実際の世界だと考えてしまうのです。

しっかりと定義をするならば、「現実に則した根拠がないにもかかわらず、それに気づかずに「こういうものだ」と決めつけてしまっている心の働き」といったところでしょうか。

つまり、

・「当たり前」のことすぎて気づかないこと
・意識せずに「前提」として考えていること
・自分にとって、疑う余地のないこと
・他に選択肢があるという可能性を考えないこと

を思い込みと呼ぶのです。

例を挙げましょう。

「一流大学に入り、一流の企業に就職すれば、しっかりお金を稼げて幸せになれる」

という考え方を信じている人は多いと思います。

しかし、果たしてこの考え方は本当に現実的といえるでしょうか?

一流大学に入り、一流企業に就職し、お金もたくさん稼げたものの、会社での人間関係に疲れ仕事をやめてしまった人もいるでしょう。

その逆に、高卒で働きに出て結婚し、お金はあまりないけれど幸せな家庭を築いている人もいるはずです。

自分を追い込む「思い込み」

思い込みは、必ずしもないほうが良いものというわけではありません。

思い込みがあるからこそ、様々な判断を下すことができるというのもまた事実です。

しかし、その思い込みが自分を追い込み、傷つけてしまうというのであれば話は別です。

先ほどの「一流大学に入り、一流の企業に就職すれば、しっかりお金を稼げて幸せになれる」という思い込み。

これは、逆に言えば「一流大学に入り、一流の企業に就職できなければ、お金も稼げず幸せにはなれない」という考えと同義です。

そのため、この思い込みを持つ人は、「一流大学に入り一流企業に就職する」というレールから外れることを恐れ、外れてしまったと考えたら強く動揺し、マイナスの感情に支配されるでしょう。

このように、思い込みという決めつけが自分を追い込み、落ち込みや不安といった感情の原因となってしまうことがあるのです。

 

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