徹底解説!認知行動療法! ⑨ ~行動結果の振り返り~
就労移行支援事業所 リスタート では、毎週火曜日にワークショップを認知行動療法講座をやっています。
講座内でも「認知行動療法とは何か」ということについて説明していますが、普段使わない言葉や考え方が多く含まれており、すぐに理解するのは難しいものです。
ここでは、講座の復習も兼ねて、「認知行動療法」というものについて、より詳しく解説していきます!
行動結果の振り返り
前回の記事で、アクションプランの作成をしました。
プランができたら、いざその行動の実践です。
行動を起こしたらそれで終わりではなく、その結果を振り返ってみる必要があります。
前回の、「頼みごとを断るのは悪いことではない。理由を言って断れば相手もわかってくれるはずだ」という考えに基づいて決めた「今日の業務中、残業を頼まれても「今日は用事があるので申し訳ありません」と言って断る」というアクションプランの結果を見てみましょう。
このプラン通りに行動した結果、仕事を頼んできた相手は「そうなんだ」とだけ言って、隣にいる他の社員に残業を頼みました。
頼みごとを断る、という目的としては成功と言えますね。
実際、断ることができたことで、この適応的思考への確信度は80%程度まで上がりました。
しかし、良いことばかりではありませんでした。
この結果を見たことで、「私がいなくてもこの会社は困らないんだ。自分は必要のない存在なんじゃないか」という新しい自動思考が生まれ、落ち込んでしまったのです・・・。
行動結果 3つのパターン
行動を起こした結果は、大別して3つに分類することができます。
パターンA:期待通りの結果になった
期待通りの結果が得られれば、コラム法などで新しく作った適応的思考への確信度が上がります。
今後同じような状況になったときも、同じアクションを繰り返すことで確信度を高めていきましょう。
また、上手くいったのと別の状況を想定して、新しくアクションプランを用意していくのも効果的です。
そのようにして、適応的思考の確信度が100%に近づくころには、意識せずとも自然とその考え方に沿った行動ができるようになっているはずです。
パターンB:期待通りの結果になったが、別の自動思考が生まれて辛くなった
結果としては期待通りであるものの、スッキリしなかったり、辛い気持ちになってしまう場合があります。
先ほどの「残業を断る」アクションプランの結果などがそうですね。
こうなった場合には、新たに生まれた自動思考に対して、再びコラム法などを利用して挑戦していきます。
また、こうした場合には、新しく生まれた自動思考と、挑戦していた元の自動思考との間に共通する”スキーマ”がある場合が多いので、ゆくゆくはそちらにも目を向ける必要があります。
“スキーマ”については、まだ先となりますがこの記事のシリーズで紹介します。
なお、アクションそのものは成功していると言えるため、パターンAと同じく今後同じような状況になった時には、同じアクションを繰り返して確信度を高めていってください。
パターンC:期待通りの結果が得られなかった
残念ながら、期待通りの結果が得られないこともあるでしょう。
その場合は、アクションの内容や難易度が適切だったかどうかを見直しましょう。
以下の点を再度確認してみてください。
・プランの内容は具体的か?
・日時や場所などは決まっているか?
・難易度が高すぎないか?
・行動が細分化され、実行が可能になっているか?
・問題となっている認知に直接結びつく内容であるか?
・結果を過小評価していないか?