認知行動療法講座
現在、高田馬場の就労移行支援事業所 リスタートでは、リモートによるプログラムを行っています。
今日は、認知行動療法のプログラムを行いました。
在宅期間中は、個々の利用者さんに対してコラム法などを用いた相談などを行ってきましたが、プログラムとして行うのは久しぶりです。
間が空いて忘れてしまっている部分も多いかと思うので、基礎的なところから復習していきたいと思います。
認知行動療法とは
さて、認知行動療法についての講座をやっていくにあたり、まずはそもそもこの認知行動療法というのがどのようなものなのか、説明していきます。
認知行動療法は、「認知」と「行動」の2つの面から、ストレスに対処できるようにしていくものです。
「認知」の側面では、物事の受け取り方や考え方に目を向けていきます。
悲しみや不安、怒りといったネガティブな感情に目を向け、その感情を引き起こしている原因となる考え方(=認知)を見つけ、変えていくことで、こころの状態を整え、問題に立ち向かえるようにして行きます。
「行動」の側面では、実際にアクションを起こすことで、自分の考え方を見直していき、起こっていた問題の解決を目指します。
認知行動療法を実践していくにあたり、「認知」という言葉について、もう少し詳しく説明します。
認知とは
認知とは、「物事の捉え方」や「考え方」のことです。
認知について覚えておく必要がある重要なポイントは以下の2点です。
① 気持ちに影響する
怒りや悲しみ、喜びといった感情はいずれも、認知による影響を受けます。
例えば、何か失敗をしてしまったとしましょう。
このとき、「自分がちゃんと準備をしてこなかったのがすべて悪いのだ」という認知を持てば、"落ち込み"の感情を持つでしょう。
一方で、「周りの人間がちゃんと確認をしなかったから失敗してしまったのだ」という認知を持てば、"怒り"の感情を持つはずです。
はたまた、「失敗してしまったが、次に同じことを繰り返さないよう気をつければよい」という認知を持ったなら、ネガティブな感情はさほど浮かんでこないでしょう。
このように、どのような認知を持ったかによって、浮かぶ気持ちは変わってくるのです。
② 人によって異なる
同じ状況でも、認知のしかたは人によって違います。
先ほどの例にしても、10人が同じ状況にあったとして、10人ともが同じ認知を持つことはないのではないかと思います。
人は、これまでの生き方や様々な経験によって、物事の受け取り方が形作られていきます。
良く落ち込んでしまう、すぐに怒りだしてしまう、といった人は、この物事の受け取り方が、良くない方向に歪んでしまっているのかもしれません。
それを修正していくのが、認知行動療法における、「認知」の側面なのです。
自動思考
自分の「認知」を知るうえで役に立つのが「自動思考」です。
実は、先ほど例に出した「自分がちゃんと準備をしてこなかったのがすべて悪いのだ」などの考えは、すべて自動思考です
自動思考とは、文字通り"自動的に浮かんでくる思考"を指します。
何か特定の状況になったとき、頭にぱっと浮かんでくる言葉やイメージ・・・それが自動思考です。
この自動思考を捕まえることができれば、自分が起きた物事に対してどのような認知をしているのか、気が付くことができます。