紹介!コミュニケーションのテクニック ⑬ ~質問と詰問~

紹介!コミュニケーションのテクニック

就労移行支援事業所 リスタート では、毎週月曜日にワークショップを、火曜日にはコミュニケーションプログラムをやっています。

これらは、社会で生きていく上で避けて通れない「対人関係」を円滑にするため、「コミュニケーションに慣れる」ことを目的としたプログラムです。

ここでは、良好な人間関係を築いていくために気を付けたいコミュニケーションのテクニックを紹介していきます。

質問と詰問

会話をしていて、「なぜ?」「なんで?」と疑問が沸いてくることがありますよね。

そんなとき、気になることを相手に聞くのは大事なことです。

しかし、ここで大事なのが、「質問」はしても「詰問」はしない、ということです。

質問とは、疑問に思うことについて相手に問うことです。

それに対して詰問には、相手のことを責めて、厳しく問いただす、といった意味があります。

ここで大事なのが、されたのが「質問」なのか「詰問」なのかを判断するのは、「受け取り手」であるということです。

たとえ詰問のつもりがなかったとしても、受け取り手が「責められた」と感じたのであれば、そのまま悪印象に繋がってしまうのです。

色々なパターンに分けて、質問の仕方を考えてみましょう。

ケース1:理由を尋ねたい

仕事の場面で、繰り返し期限を守れない部下がいたと仮定しましょう。

このとき、「なぜ期限を守れないの?」とそのまま質問してしまうと、相手は責められていると感じてしまう可能性があります。

ここは、「最近、期限を守れていないことが多いけど、なぜだか理由があれば教えてくれる?」といった聞き方をしてみましょう。

相手の事情のことも考慮している、ということを伝えることで、責めるニュアンスを薄めることができます。

ケース2:要望を伝えたい

同じ場面で、部下に期限を守るようにして欲しいと思っていたとしましょう。

ここで良くない例が、「前に期限は守るようにと言ったよね?なんで言った通りにやらないの?」なんて言い方をしてしまうことです。

これもまた、責めるニュアンスが含まれた「詰問」の形になってしまっているのがわかるかと思います。

このようなときは、相手の事情にも理解を示しつつ、具体的にお願いすると良いでしょう。

「今後は、約束された期限を守るようにして欲しい。そのために、期限の3日前に進捗状況を報告するようにしよう。それと、万が一期限が守れなさそうだと思ったら、途中でもいいからその時点で相談しに来るようにしてくれないかな?」

「なぜやらないの?」と聞けば、相手の頭に浮かぶのは「だって・・・(時間がないから、どうすればいいかわからないから)」といった理由になります。

一見すれば、その理由を元に対処を伝えられてよいのではないかと感じるかもしれませんが、「責められている」と感じた相手は、これらを口にすれば言い訳と怒られるだけと口をつぐんでしまうことがあります。

もちろん、相手が何に困っているのかがわからないときは理由を尋ねるのも有効ですが、その場合はケース1のように伝え方を工夫してください。

ケース3:解決策を探したい

また同じ場面で考えてみましょう。

期限を守ることができるように解決策を見つけたいとします。

ここで良くない例が、「なぜ何度も繰り返すの?」という聞き方をしてしまうことです。

これもまた、相手に責められていると感じさせてしまうでしょう。

「繰り返さないためにはどうすればいいのか、一緒に考えてみよう」といったように、一方的に聞くのではなく、協力の姿勢を見せてあげてください。

ケース4:評価について不満があるとき

最後に、これまでとは違うケースについて考えてみたいと思います。

上司からの評価を受けたものの、それが自分の思っていたものと違い、不満に感じたとしましょう。

これを上司に伝えたいと思うのですが、どのような伝え方をすればよいでしょうか?

良くない例は、以下の通りです。

「なんで私がこんな評価なんですか?部下のことをちゃんと見てないですよね!」

これもまた、質問ではなく詰問です。

このような言い方をすれば、望んだ答えが得られないばかりか、叱られてしまうことでしょう。

「評価についてなのですが、今後の改善のため、なぜこのような評価となったのかを教えていただけませんでしょうか」

言い方を少し変えるだけで、相手を責めるニュアンスを外し、純粋に知りたいことを相手に問うことができます。

 

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