就活SST「アサーション」
就活SST
現在、高田馬場の就労移行支援事業所 リスタートでは、リモートによるプログラムを行っています。
今日は、就活SSTのプログラムを行いました。
在宅の期間中も主に課題をこなすという形でSSTは続けていましたが、講座でのSSTは間が空いていたため、以前の復習を進めています。
アサーション
今回の講座では、アサーションについての復習をしました。
アサーションとは、「自分も相手も大切にする」コミュニケーションのこと。
人間関係を築いていく中で、最も重要な要素と言っても良いくらいの重要なポイントです。
早速ですが、ひとつ例を見てみましょう。
例)
Aさんはレストランに行き、カレーを注文しました、
しかし、注文が間違って伝わってしまったようで、ラーメンが出てきてしまいました。
次の3つは、そのときのAさんの対応です。
対応①
黙って何を言わずに笑顔で受け取るが、イライラを感じて心の中では「もう二度と来ない」と考える。
対応②
「これじゃないよ!カレーを注文したんだ!店長を呼んで来い!」と大声で怒鳴る。
対応③
「すみません、これ、注文したものと違うので替えてくれませんか?」と店員に頼む。
これらの対応は、上から
「非主張型自己表現」
「攻撃的自己表現」
「アサーティブな自己表現」
と呼ばれています。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①非主張的自己表現
自分の考えを言わず、言いたくても自分を抑え、結果として相手の言うことを聞き入れてしまう自己表現です。
自分の考えや気持ちを表現せず、相手を不愉快にさせないように譲るが、そのために自分を犠牲にしているという配慮は伝わらないため、相手には「不満もなく受け入れてくれた」と取られてしまいます。
相手にとっては都合よく頼りにされ、排除されるようなこともありませんが、引き換えに心理的ストレスが溜まってしまいます。
また、お互いに非主張的な場合には、お互いに思いが伝わらないため話が弾まず、わかり合えない場合があります。
②攻撃的自己表現
非主張的自己表現とは逆に、自分の考えや気持ちを伝えることはできるものの、自分の言い分を一方的に通そうとして言い分を相手に押し付けたり、言いっぱなしになってしまう自己表現です。
命令する、言い負かす、嫌味を言う、などの形で現れる他、口調は丁寧で優しくとも、自分の思い通りに動かそうとしている態度や言い方も、攻撃的自己表現であると言えます。
自分と異なる意見やものの見方を認めず、無視したり排除したりしようとするため、自分の言い分を通すことはできる一方で親しい関係を築けず、孤立してしまいます。
また、普段は非主張的自己表現である人が、友人や家族に対して思いを押し付けたり、攻撃的に振舞ったりしてしまうこともあります。
お互いに攻撃的自己表現を持つ場合には、自己主張の押し付け合いによりケンカになってしまうこともあります。
③アサーティブな自己表現
アサーション、つまりアサーティブな自己表現とは、いわば非主張的自己表現と攻撃的自己表現のいいとこどりの自己表現と言えます。
自分の考えや気持ちをないがしろにせず、相手にそれを伝えますが、一方でそれを相手に押し付けるのではなく、相手の考えも理解するように努めます。
アサーティブな自己表現を用いることを、「アサーション」と呼びます。
ストレスを溜めこまず、良好な関係を築いていくために、「アサーション」の実践を心がけるようにしましょう。