紹介!コミュニケーションのテクニック ⑮ ~「大丈夫」には理由を付ける~

紹介!コミュニケーションのテクニック

就労移行支援事業所 リスタート では、毎週月曜日にワークショップを、火曜日にはコミュニケーションプログラムをやっています。

これらは、社会で生きていく上で避けて通れない「対人関係」を円滑にするため、「コミュニケーションに慣れる」ことを目的としたプログラムです。

ここでは、良好な人間関係を築いていくために気を付けたいコミュニケーションのテクニックを紹介していきます。

「大丈夫」の理由

「大丈夫」ということば、日常の生活でも、ビジネスの場面でも使う場面は多いのではないかと思います。

相手の質問に対する返答として使いやすいですし、相手を安心させたり、勇気づけたりすることのできる良い言葉ですよね。

しかし、この言葉を使うときには、少し注意が必要です。

以下の場面を見てみてください。

Aさん「お願いしていた件だけど、スケジュール通りに進みそうかな?」
Bさん「はい。大丈夫です!」

さて、よくありそうな会話ですが、この後Bさんが締め切りに間に合わせることができず、「間に合いませんでした・・・」と伝えたとしたらどうなるでしょうか。

Aさんは「大丈夫と言ったのに・・・」と落胆するでしょうし、大きく信用を損なってしまうかもしれません。

「大丈夫じゃないなら、事前に教えてくれたらなんとかできたかもしれないのに」なんて言われてしまう可能性もあります。

このような可能性があるため、ただ「大丈夫」と言うだけでは不安に感じる相手もいます。

そこで、「大丈夫」という言葉を伝える際には、


・根拠を示す
・現在の状況を伝える

という2点を意識するようにしてみてください。

自分で大丈夫と思っていても、相手に現在の状況を伝えることで、先ほどの例のように実際にはダメだった、というような事態を事前に防ぐことにもつながります。

先ほどの返答として、例えば

「現在8割ほど終わっているため、3日後の期限には間に合います」
「残り1支店のデータがあれば完了します。そちらの支店からは、今日中にデータをいただけることになっています」

といったように、数字や日程を明確にして伝えるように心がけてください。

勇気づけるための「大丈夫」

先ほどは、「終わるかどうか」の質問に対する回答として「大丈夫」という言葉を使いました。

大丈夫という言葉の他の使い方として、相手を勇気づけたいという場面があります。

あるとき、「初めての作業なので不安なんです」と話す部下に対して、上司が「大丈夫だ。君ならやれるさ」と回答しました。

さて、このとき部下はどのように感じるでしょうか。

もちろん、「上司が言ってくれたのだから」と自信がつく人もいるかもしれません。

しかし一方で、なぜ大丈夫なのかがわからないため、「無責任に丸投げされた」と感じてしまう人もいるのではないでしょうか。

相手を勇気づけたいときにも、なぜ「大丈夫」なのか、その根拠を伝えることが重要です。

「君は、H社のプロジェクトのとき、とてもいい働きをしてくれた。今回の案件は、その時の経験を活かすことができると考えてお願いしたんだ。だから大丈夫だよ、自信をもって!」

こんな風に、「大丈夫」の根拠があれば、相手は安心しやすくなります。

また、「何か困ったことがあればいつでも相談してほしい」なんていうように、不安を解消するための一言を付け加えられるとさらに良いでしょう!

 

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