繊細で真面目な人のメンタルケア講座 ~苦手な相手がいる②~
誰にだって好き嫌いはある
- 口うるさい上司、頼りない同僚、職場の「苦手」な人。
- しつこい、厳しい、ご近所付き合いやサークルの「苦手」なあの人。
人は、嫌な経験、マイナスの経験を記憶し、常にマイナスな状況に陥らないようセンサーを働かせています。
苦手な人、嫌な状況というのは、脳の記憶が「危険だよ」と判断した結果。
誰にでも苦手な人や苦手な場面はあるのです。
しかし、会話もせずに見た目だけで「この人は嫌だな」と決めつけてしまうと、自然と相手にも伝わってしまい、対人関係はどんどん悪化していきます。
詳しくは前回の記事をご覧くださいね。
苦手なものを前にしたとき、どのようにしたらうまく乗り越えられるのでしょう?
「ニガテ」を「好き」に変えるのは難しい!
「ニガテじゃない」に変えるのは簡単
苦手な人と折り合いをつけてやっていくのは難しい、割り切って付き合うのは無理・・・
そんな風に思っているとしたら、それはもしかしたら、心のどこかで「好きにならなきゃ」と思い込んでいるからかもしれません。
誰にでも苦手分野はあるので、苦手な人もいて当然ですが、それを無理をして「好き」になる必要はないのです。
あくまで、苦手じゃなくなればよいのです。
極端に「好き」か「嫌い」かで分類していると、「嫌い」な人の方は増えていきます。
白黒つけるのではなく、中間点という考え方をしてみましょう。
嫌いな人、好きな人を分類したあとで、嫌いな人のうち、本当に嫌いな人をピックアップしてみましょう。
それ以外の「嫌い」枠の人は、あなたにとって、「そこまで大嫌いではない、中間地点」なのです。
まずは「嫌い」を減らすことが、ストレスを減らすことにつながりますので、中間地点という考え方を意識していきましょう。
そして、好きか嫌いかの二択で分類していた人は、他のことも二択で分類している傾向が高いです。
100点じゃなきゃだめ、完璧にこなさないとだめ、と完璧主義である傾向も強いです。
これらは大きなストレスになるので、「良い」「悪い」の間に「普通」という地点を設けましょう。
欠点ばかり目につく理由
そして、嫌いな人のことはどんどん欠点ばかりが見えてきてしまうもの。
その原因は、悪口や、悪い点を思い返すこと。
それらによって、忘れていたはずの小さな嫌なことを思い出し、どんどん相手の欠点ばかりが強く記憶に上書きされます。
ストレス発散のつもりで悪口・・・それは、実は相手の欠点ばかりを思い返し、記憶に刷り込んでいる、逆効果の行動なのです。
「嫌い」「苦手」が多いストレスを解決する
そんな苦手な相手にも、人間ですから長所はあるので、「そんなものはない」と決めつけず、相手の長所を探してみてください。
あなたが「苦手」だから見つめようとしないだけで、視点を変えたりよく観察したりすると、しっかり長所は見えてきます。
「口うるさい」のは「細部にまで目が届く」、「厳しい」のは「責任感がある」から。
そんな言い換えにしてみるのもよいでしょう。
脳が好き嫌いを判断する仕組みを、人間は「言葉」の力で制御することができるのです。
初対面の「好き」「嫌い」、叱咤されたから「苦手」、そこにも中間地点を見つけたり、長所を探すことで、あなた自身の息苦しさから解放されていきます。
欠点ばかり目についてどんどん嫌いになり、嫌いになるほど相手に伝わり、人間関係が悪化する。
そんなスパイラルから抜け出すために、今日からトライしてみましょう。