ワンランク上の感情ケア ~その7 嫌なこと、悲しいこと~
悲しさ、喪失感も大きなストレス
- 思うようにいかない、嫌なこと。
- 喪失感が大きくて、何も手につかない。
- 自分への絶望。
- 卒業、就職、昇進、結婚、嬉しいはずなのに手につかない。
これらはすべて「悲しみ」です。
悲しみとは、どういう感情なのでしょうか。
また、どうすれば悲しみから救われるのでしょうか。
悲しみとはどういう感情?
悲しくなくても、実は悲しい
最近悲しかったことはありませんか?
泣いたこと、悲しいと感じたこと・・・
悲しみを感じた瞬間ではなくても、実は心は悲しいと感じているのです。
- 友達との予定がキャンセルになった。
- やりたかった仕事ができなかった。
- 理不尽に指摘された。
こんなときも、人は悲しいと感じています。
失ったから、悲しい。
お気づきの人もいるかもしれませんが、これらは怒りと一緒です。
悲しみというのは、何か大事なものを失った、というサインです。
予定がキャンセルになったのは、「会いたかった」という気持ち、「時間」というモノ。
やりたかった仕事ができなかったのも、自分の意欲、希望。
理不尽な指摘は、自分のこれまでの時間や、考え方。
あなたが大切にしていた何かを失った、ということに気づかせてくれるのが「悲しみ」なのです。
大事にしていたほど、その痛みは強くなります。
悲しいだけじゃない、良いことも涙の原因
よいことであっても、悲しみを感じることもあります。
卒業は、仲間や打ち込んだことの喪失。
転職も、それまでやってきた馴染みの仕事との別れ。
大成功した時は、頑張った・打ち込んだということとの別れ。
よいことであっても、何か喪失感を感じてしまうのは、別れがあるからです。
痛みにばかり気が向いていませんか?
自分は何かを失ったのだ、と気が付くことができる「悲しみ」。
悲しみを感じているとき、人はその痛みが強いあまり、適確な現状把握ができません。
周りが仕事をしているのに泣き出してしまったり、みんな助けてくれないなどと独りよがりになったり。
悲しさのあまり、適切な行動を選びにくくなってしまいます。
そのことが、さらに悲しさを強め、長引かせてしまいます。
失った、という自覚
悲しさに振り回されていては、未来の自分へのダメージも大きくなります。
悲しい時は、失ったのだという自覚をするようにしましょう。
何を失ったのだろう、今から取り戻せるのか、取り戻せないのならどうしたらよいのか。
大事にしていたほど、思い入れがあったほど悲しみは大きいもの。
しかし、失ったから何か行動をしよう、と思えなければ、悲しみは連続してしまいます。
行動をするよう傷を自覚させてくれるのが悲しみです。
苦しい時こそ、苦しさ・悲しさを自覚し、失ったものとは何なのか、できる行動は何なのかを考えることが自分を労わることになるのです。