ワンランク上の感情ケア ~その19 嫌な気分のとき~
目次
行動できないけど、したら失敗する!?
- ネガティブ。落ち込みやすい。
- ひとつ失敗すると、成功体験があっても見えなくなる。
- ネガティブのループに入って、抜け出せない。
- 一度失敗すると、あれもこれもと不安になる。
落ち込んでいるときほど、行動ができないもの。
また、落ち込んだまま行動をしたところで、客観性が低い状態のためうまくいきません。
でも、行動をしていかないと落ち込んだまま。
どうしたらよいでしょうか?
落ち込んでいるときほど客観性が低いときはない!
落ち込んでいるときの思考
ネガティブになったとき、私たちはそのループから抜け出すことは困難です。
失敗をしてしまった、嫌われてしまったのではないか、というネガティブなことがあり、
過去にはいいことは一つもなく、全て失敗だったように思えてしまうし、失敗したことばかり思い出します。
自己嫌悪をして、未来のことも不安になるし、悲観してしまいます。
そんな状態では、状況を改善しよう、ネガティブから抜け出そう、というエネルギーなど沸いてくるはずもなく、抜け出せない状態が続いてしまいます。
落ち込んでいるときの行動
仕事など失敗が原因でネガティブになってしまっているとき、私たちは「なんとか挽回しよう」と行動をとります。
しかし、ネガティブなままだと積極性、客観性が低くなっており、
また自分を過小評価しがちなタイミングなので、せっかく行動に起こしても失敗を重ねてしまうことにつながります。
まさに負の循環となってしまうのです。
仕事などではなく、自室で考え込んでしまったり、プライベートな悩みだったとしたら、今度は行動をするエネルギーが沸いてきません。
過去の嫌なこと、未来への不安を考え込んでしまい、目の前にある解決できるものを、手に取って解決してあげることができないのです。
エネルギーがないから気分転換もできません。
まずは落ち込みから抜け出す「気づき」から
抜け出せない理由は、意識が「今」「目の前」を向いておらず、「過去」「未来」を向いて考え込んでいるから。
やる気が出ない、なんだか嫌な気持ち、と感じたら、「自分が今ネガティブになっている」ということに気付いたということ。
過去のことや未来のことばかり考えてしまったり、絶対・必ずというように極端化してしまったり、自責してしまったりしていることに気付けましたか?
その落ち込みをお金や重量や強度で数値化したり、書き出してみたりすることで、過去や未来から抜け出し、また「今」「目の前」に意識を切り替えることができます。
そのうえで、「嫌な気持ちになったけど、起こったことは本当に事実か」と確かめてみたり、
知人が自分の状況にいたらどう声をかけるか考えてみたりすることで、客観性を取り戻し、ネガティブに引き戻されないように意識を保ちます。
手軽なこと、突飛なこと、ありえないこと、とエネルギーが回復するにつれ様々な行動をとれるようになり、
達成したときに気分が上昇するので試してみるとよいでしょう。
とにかく「気づく」ことからスタートなのです。
自分の行動を分析してパターン化!
客観性が低いから失敗を重ねる
さきほども述べましたが、落ち込んでいるときほど客観性が低くなっている状態というのはありません。
嫌われた気がする、冷たい気がする、呆れたように見える、などの主観が、ネガティブの原因の大部分です。
積極性も低くなるし、判断力も鈍くなります。
自分視点でしか考えられませんから、全体を見渡し、自分の状況を適切に把握することができなくなれば、それは失敗も繰り返します。
とにかく客観的に、状況を俯瞰しよう、としても、その視点を取り戻すためにはネガティブを抜け出さなくてはいけません。
抜け出すために行動、改善が必要なのに・・・
どうしたらよいのでしょうか。
あなたは逃げる人? 戦う人?
突然ですが、あなたはトラブルがあったとき、立ち向かっていく人ですか?
それとも背を向ける人ですか?
背を向けるのはよくない、という意見があるのはもっともですが、客観性が落ちているときに立ち向かうことが正解かどうかといえば、そうではないかもしれません。
とはいえ、仕事から逃げ出す、対人関係から目を背ける、といったこともできません。
ここで大切なのは、客観性が低いと、適切に立ち向かう・逃げるといった判断ができない、ということです。
パターンを考えてみる
クレームを受けてネガティブな状態。
「一人で処理しないと」と立ち向かった結果、
ネガティブなままだったため処理速度は低く、フォロー・謝罪の言葉も上手く出てこず、結果更なる大きなクレームに。
立ち向かっても、ネガティブから抜け出せないままだとつまづいてしまいます。
一方ここで「自力では無理だ」と諦めたパターンを考えてみましょう。
誰かに交代してもらったり、気分転換の休暇をもらったり、期限を先に延ばしてもらったり・・・
視野が広ければこれらの選択肢を選べたはずですが、ネガティブになっているとなかなか見えません。
しかし、事前に自分の行動のパターンがわかっていれば、「ワンパターン」な行動を繰り返して失敗のループ、という状態を避けることができます。
2つの軸で考える
このときに役に立つのが、「立ち向かうか、逃げるか」という軸と、「一人でやるのか、誰かに助けてもらうのか」という軸です。
立ち向かう・一人
という行動を取りがちな人であれば、誰かに助けてもらいながら一緒に立ち向かう、一歩引いて後でやる、誰かに頼んでみる、といった選択肢を用意しておきましょう。
逃げる・誰かに助けてもらう
という行動も、ワンパターンでいれば「いつもそうやって」と責められてしまうことが考えられます。
このパターンを取りやすい人は、状況分析や提案書を積極的にやってみる、別の方向の仕事に着手する、といった一人で立ち向かう選択肢も考えておきましょう。
失敗を繰り返しやすいのは、ネガティブなまま、視野が狭いままのワンパターンな行動です。
ネガティブなのに行動をしなくてはならないときのために、選択肢をいくつか用意しておきましょう。