統合失調症ってどんな病気?-①

  • 「周りに人がいないのに声が聞こえる…」
  • 「感情が不安定で、小さなことで興奮してしまう…」
  • 「意欲や気力がなくなり、引きこもりがちになってしまった…」

こんな症状はありませんか?

もし思い当たることがあれば、以下のチェックを試してみてください。

チェックしてみよう

自分を責めたり命令してくる、正体不明の声が聞こえる
極度の不安や緊張を感じるようになった
自分は誰かに操られていると感じる
みんなが自分の悪口を言ったり、嫌がらせをすると感じる
「楽しい」「嬉しい」「心地よい」などと感じなくなった
頭の中が騒がしくて眠れなくなった、または眠りすぎるほど眠るようになった
人と話すのが苦痛になり、誰とも話さなくなった
独り笑い、独り言を言うようになった
直前のことを思い出せなくなったり、頭が混乱して考えがまとまらなくなった
部屋に引きこもり、1日中ぼんやり過ごすようになった
自分の考えていることが周りにもれていると感じる
ささいなことに過敏になり、注意をそがれたり、興奮するようになった
誰かから監視されたり、盗聴されたり、ねらわれていると感じる
1つのことに集中したり、とっさの判断ができなくなった
何をするのも億劫で、意欲や気力がなくなった

 
上記の項目のうち当てはまる数が2つ以上あり、その状態が1ヵ月以上続いている場合は「統合失調症」の可能性が高いです。

それ以外の項目に当てはまる方でも、統合失調症に似た症状を示す別の病気もあるため、自分なりの判断をしないで早いうちに医療機関を受診することをお勧めします。

※このチェックシートは、統合失調症の可能性を判断するもので、診断結果を表すものではありません。

「統合失調症」はこんな病気

「統合失調症」は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。

その原因は脳の機能にあると考えられています。

約100 人に1 人がかかるといわれており、決して特殊な病気ではありません。

また、思春期から40歳くらいまでに発病しやすい病気です。

私たちは喜びや怒り、悲しみ、楽しみといったさまざまな感情をもち、常に思考しています。

こうした感情や思考は、脳内の精神機能のネットワークを使って行われています。

ところが、何らかの原因でさまざまな情報や刺激に過敏になりすぎてしまうと、脳が対応できなくなり、精神機能のネットワークがうまく働かなくなることがあります。

「統合失調症」とは、このように脳内の統合する(まとめる)機能が失調している状態をいいます。

精神機能のネットワークは脳内のさまざまな場所で行われていますが、その不調の場所によって、実在しない人の声が聞こえるなどの現実にないものをあると感じる幻覚が現れたり、周りで自分の悪口を言われていると思いこむ被害妄想が出たりなど、さまざまな症状が出現します。

最近は、新しい薬の開発と心理社会的ケアの進歩により、初発患者のほぼ半数は、完全かつ長期的な回復を期待できるようになりました(WHO 2001)。

また、一日でも早く治療を開始したほうが病気の回復が早く、症状も軽くてすみます。

※以前は「精神分裂病」が正式の病名でしたが、「統合失調症」へと名称変更されました。

 
次回は、「統合失調症」の主な症状、発症の原因などを解説します。

 

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