繊細で真面目な人のメンタルケア講座 ~家族トラブル⑥ 要介護を予防~
目次
黙っていると介護が必要! 予防策とは
- 親子喧嘩、夫婦喧嘩がある。
- 家庭のトラブルが仕事に差し支えている。
- 家にいたくない。
- 家族とのコミュニケーションの仕方がわからない。
家族間での問題としては、夫婦のコミュニケーション、子供との対面、両親やお互いの介護、といったものが挙げられます。
介護は、パートナーや子供のコミュニケーション以上にお互いの心身を削ります。
また自分が介護される側になるのを予防したい、と考えている人も多いでしょう。
今回はどうしたら要介護状態になるのを避けることができるか、考えてみましょう。
人手不足、空室待ちが多い! だからこそ予防が必要
家族の誰かが寝たきりになってしまったり、認知症になってしまったりすると、家族のメンバーによるケアが必要になってきます。
しかしそのメンバーだって自分の時間や人生があるわけですから、ケアにばかり時間を割けません。
深夜の行動などに悩まされることも多いでしょう。
そこで施設を探しても、要介護人口は増える一方で人手不足も深刻なため、空室待ちになることが多いもの。
だから、限界が来てからでは遅いのです。
そして、何より、ケアが必要になるまでの時間を延ばすことも、家族の他のメンバーへの負担を減らすことにつながります。
心身の衰えへの対策が必要だということです。
衰えは2種類ある
要介護状態になる原因は大きく2つあり、まずは体の衰え。
骨折や痛みで歩けなくなってしまうと筋力は一気に低下しますので、そのまま寝たきりになり、介護が不可欠になります。
また、心の衰え、社会生活の不足で認知症になる場合も、要介護の状態になります。
認知症を発症した場合、同じ要介護状態でも、心身のみの衰えよりもケアが大変なものなのです。
寝たきりとの中間地点がキモ
衰え、要介護状態には大きく2種類あるとお話しました。
それぞれの対策を考えましょう。
老化のサインを見逃さない
息切れしやすくなった、疲れやすくなった。
痩せた、食が細くなった。
外出をしなくなった。
これらが老化のサインです。
これらを放置していると、体が弱り、鍛える機会が減り、さらに老化が加速します。
要介護までの速度がぐっと短くなってしまうのです。
健康寿命を延ばすためにも、対策を開始しましょう。
弱り始めた「まだ健康」の状態が対策開始地点
加齢により、骨が弱ったり内臓機能が弱ったり、疲れやすくなったり。
これは誰にでも起こるものです。
それでも大きな病気や骨折などの怪我がなければ、一気に寝たきりになることはありません。
ただし、骨折などの入院で運動をしなくなると、高齢者は一気に筋肉を失います。
骨は、日々の運動で負荷をかけるほど強くなりますが、高齢になると疲労しやすく外出も控えるようになり、どんどん骨が劣化し折れやすくなります。
老化してきた、と感じた時点で、散歩などの運動をプラスしていく必要があるのです。
高齢者に不足しがちな3要素を補給、予防しよう!
体力、骨・筋肉
まず不足しがちなのが運動。
体の衰えには、運動が必須です。
前述の通り負荷をかけ続けるほど体は強くなりますので、寝たきりの要介護状態をできるだけ引き起こさないためにも、運動の継続が必要です。
関節痛が可哀想だから外出を控えてもらおう、というのは、思いやりではなく逆効果なのです。
体力、骨・筋肉の維持が欠かせないということです。
タンパク質
噛む力が弱くなって食事ができない・・・となると、それも重度の要介護になってしまいます。
また栄養がとれないと体の老化が加速し、病気や怪我が重大化しやすくなります。
栄養がなければ体の維持のための運動もできず、また脳機能の老化もぐっと速まり認知症などのリスクも上がります。
高齢者は魚を中心としたタンパク質を豊富にとり、3食バランスよく食べることも大切です。
社会参加を継続する
見逃しがちなのが社会への参加。
友達が減ったから、とか、体力がなくなってきたから、とか、趣味も満足にできないから・・・
と外に出ることが減ると、認知症のリスクがぐっとあがります。
また外に出ないことも運動不足の要因ですので、社会に参加する、コミュニティに参加するというのもとても大切なこと。
旅行でも、町内会でも、行事でも、ボランティアでも、知人との会話、誰かと会話しながら散歩、でもよいのです。
社会への参加で、運動量をキープし、脳も動かすようにしないと、老化がぐっと速まるのです。
必要になってからでは遅い
これらの三要素は、寝たきり、要介護になってから開始しては遅いものです。
衰えてきたと感じたらまず対策をしたいものですし、
また怪我などの節目や、参加していたコミュニティが終了したタイミングなど、健康と寝たきりの境目にあたる場面でこそ対策が必須なものです。
境目の状態であれば、まだ健康な状態に戻ることは可能ですが、一度寝たきりになってしまうと健康な状態へ戻ることはできません。
自分や、家族の他のメンバーの健康寿命を伸ばすためにも、日々の生活の中での老化のサインを見逃さず、また境界地点でこそリハビリを開始するようにしていきましょう。