繊細で真面目な人のメンタルケア講座 ~通院すべき?② うつ状態を放置すると?~
チェックリストにあてはまったら
精神科の受診率や、精神疾患と診断される人が増えてきている、という話をよく耳にすると思います。
うつ病などの気分障害に関しては30人に一人が診断されているというデータもあるため、あなた自身や身近な人にうつ症状があってもおかしくはありません。
下記のような人は要チェックです。
- 自分の落ち込み、「うつかも?」と思うことがある。
- 知人、学校、職場、家族に、「うつかも?」と思われる症状がある人がいる。
- 落ち込んでいる状態が続いている。または、無理している。
今日は、前回ご紹介したチェックリストに当てはまった場合の通院について、お話していきます。
通院しようと考えたとき
うつ病などの精神疾患を発症したばあい、発症してから通院までの期間が短いほど、薬や治療が効きやすく、改善も早いものです。
もし「うつかも」や「症状が当てはまるかも」と感じたら、早目の通院がよいのです。
実際、
「うつかもしれないけど、会社には行けているから」とか、
「症状が出ている気はするけど、我慢できるから」と通院を遅らせていた人は、
医師からはなぜここまで悪化するまでに放置したのかというレベルまで悪化していることが多いもの。
改善するかもしれないからもう少し様子を見よう、と感じることは誰にでもありますが、
改善しないままなのに数か月放置してはいけないということです。
精神科だからといって高額・長時間ではない
最近はメンタルクリニックの数も増えていて、夜間診療、休日診療を行うメンタルクリニックも増えてきました。
意外と気軽に通院できるものです。
また、高額であるとか、長時間待つことになるとか、検査に時間がかかるから、という懸念があり通院できないでいる人もいるでしょう。
しかし、心療内科は予約をして時間通りに到着すれば、到着から会計まで、かかっても1時間半~2時間です。
また初診だからといって検査が必要というわけでもなく、通院しているうちに必要になれば検査をするというだけなので、かなりの人が5000円以下での診療です。
実際に発症しているのか、処方が出るのか、といったことが手軽にわかるのですから、早目に通院しておいたほうがよいでしょう。
通院せず放置した場合
もし、学校・会社へ行けないことがある、睡眠の問題が出てきた、生きるのが辛い、といった症状が続いているにもかかわらず長期間放置した場合、どうなるのでしょうか。
多くの場合、治療をしなければ症状は徐々に悪化していきます。
また、症状が続くにつれ、その症状が出ていることが「当たりまえ」になってしまうのも特徴。
そうして放置していると、心にとっても体にとっても「症状があって当たり前」なので治療や薬が効きにくくなるのです。
もう学校・会社へ行けない、ほぼ毎晩眠れない、といった限界の状態まで我慢をしてからの通院では、治療が数年、十数年とかかることもあります。
症状が出始めてから1年以上も我慢・放置をしていると、症状は悪化し、治療の効果が出にくくなるため、
もし「発症しているかもしれない」「チェックリストに当てはまった」ということであれば、時間をつくって通院したほうが良いと言えるでしょう。