ストレスを軽減するサポートネットワーク

今回の記事では、ストレスコーピングの一環として、「誰かに頼ること」についてのお話です。

コーピングとは、「ストレスへの意図的な対処」を指す言葉です。

ストレスは、問題の捉え方によって生まれるものです。

そのため、感じるタイミングも人によって違えば対処法を一般化することもできません。

ストレスコーピングは、できるだけ多くの手段を用意し、状況に応じて適切な方法を選んでいくことが重要です。

とはいえ、コーピングの中には、だれでも実践でき、効果も高いものも存在しています。

そのうちのひとつが、今回説明する「誰かに頼ること」なのです。

「頼れる人がいる」というコーピング

就活SSTで紹介している選択理論の中で、5つの基本的欲求というものが出てきます。

これは、老若男女問わず誰もが持っている欲求なのですが、その中の一つに「愛・所属の欲求」があります。

誰かと一緒にいたい、どこかに所属していたいといった欲求を、強弱こそあれ人間誰もが持っているのです。

つらいことがあっても、だれかに話すだけですっきりすることは多くあります。

誰にも相談できず、ひとりで抱え込んでしまう人ほど、ストレスの悪循環に陥ってしまいます。

「支え合う」ことは、ストレスに対処しながら生きていく上で重要な意味を持つのです。

この「支え合う」というのは、実際に会って話し、相談に乗ってもらうことだけを指すわけではありません。

離れて暮らす両親の顔を思い出したり、友人や恋人の存在を思うだけで励みになるということもあるでしょう。

直接会うことができなくても、「いざとなったら頼れる人がいる」ということを知っておくことが、ストレスコーピングに役立ちます。

サポートネットワーク

サポートネットワークには、「頼れる人」をどんどん書き出していきます。

とはいえ、親しい人ばかりで埋めていく必要はありません。

むしろ、あまりに濃い人間関係はしがらみや束縛を生み、ストレス環境を作り出してしまうこともあるのです。

あいさつやちょっとした世間話ができる人など、うすいつながりの人もどんどん加えていってください。

また、有名人や過去の偉人、架空の人物でも構いません。

スポーツ選手の活躍を支えにしたり、昔の時代を生きた人たちの生き様に想いを馳せることで元気が沸いてくるということもあるでしょう。

あるいは、ペットや近所の飼い犬、野良猫などをくわえるのも良いでしょう。

その存在が自分を支え、助けになっているというのであれば、すべてサポートネットワークの一員です。