就活SST「逆ピラミッドで誤解を防ぐ」
新聞読解「傘価格、晴雨兼用がけん引」
以下記事の要約です。
これからの季節に欠かせない傘の価格が、最近1年で1割ほど上昇している。
円安に加え、晴天の日にも使える「晴雨兼用傘」が男女問わず支持を得ているためだ。
梅雨が過ぎれば、次は酷暑。シーズン通して使える1本を選ぶ傾向が強まっている。
このテーマについての利用者さんの意見
- 1万5千円は高いと感じた
- 傘の紛失が心配だ
- 男性で日傘を使っている人はあまりみない
- 良いものを長く使いたいと感じた
今後は機能重視になりそうですね!
就活SST
前回は、特に初対面で重要な”心配り”についてお話しました。
今回は、誤解がなぜ起きるのかを考え、それを避けるための話し方として”逆ピラミッド”を紹介します。
逆ピラミッドで誤解を防ぐ
相手に伝えたはずのことがちゃんと伝わっていなかった。
そんなことを言った覚えはないのに、誤って伝わっていた。
このように、誤解が起きてしまってうまくいかなかった経験がある方は少なくないのではないでしょうか。
誤解が起きてしまう原因は、聞き手の”想像力”にあります。
以下の2つの文を見てください。
A
試作品の開発が遅れています。完成まであと2ヵ月かかるとのことで、5月になりそうです。
その後、試作品を使って安全性や有効性をチェックし、生産ラインを設計すると、商品を生産できるまでに3ヵ月かかります。すると商品を出荷できるのは8月末です。これでは需要最盛期に間に合いません。
現在、出荷を早めるための方法を検討しています。まず試作品に取り組むスタッフを倍増します。安全性のチェックはできるところから始めます。生産ラインは試作品の設計図をもとにして作ります。
これにより、7月はじめに出荷できると思います。
B
現時点では、7月はじめに出荷できると思います。試作品開発のスタッフを倍増します。安全性のチェックはできるところから始めます。生産ラインは試作品の設計図をベースに作ります。
これにより試作品開発の2ヵ月の遅れは取り戻せると思います。何も手を打たなければ、試作品完成は5月で、出荷可能となるのは8月末となり、需要最盛期を逃すことになります。
どちらの文も伝えている内容は同じで、出荷の見込みは7月になる、ということのようです。
しかし、それにも関わらず、Aの言い方は、誤解を招いてしまう可能性があります。
もしかしたら、最後に結論を述べているのだから、間違いようがないのでじゃないか、と感じられるかもしれません。
しかし、最初に述べた通り、誤解の原因は聞き手の”想像力”にあるため、結論を後回しにすることで、誤解の危険性が高まってしまうのです。
もしもこの上司が、商品の市場投入は最需要期に間に合わないのではないかと心配していた場合、この間に様々なネガティブな想像をしてしまいます。
その結果、最後に聞く「7月はじめに商品が出荷できると思います」という結論にバイアスがかかり、「対応策やあらゆる条件がうまく行った場合のみ、7月はじめに商品が出荷できるということだが、実際は8月になるのだろう」とネガティブな想像に沿った解釈をしてしまう可能性があります。
逆に、「7月はじめの商品投入は至上命令だ」と上司が考えていれば、「出荷を早める方法はどれも実行可能だ」「対応策は素晴らしい。きっとうまくいくだろう」などとポジティブな想像をし、結果的に「7月はじめの商品出荷は余裕で達成できそうだ。少し人員を減らしても大丈夫だろう」などと、ポジティブな想像に沿った解釈になってしまうかもしれません。
そこで役立つのが、”逆ピラミッド”の話法です。
逆ピラミッドとは、言葉の通り逆さにしたピラミッドのこと。
すなわち、一番上の段が巨大な四角の土台となり、一番下が尖った小さい石になります。
それと同じように、大事から細事へと重要度の順に話していくことで、誤解を防ぐ話し方が可能となるのです。