就活SST「選択理論の10の原理」
目次
- 就活SST
- 選択理論の10の原理
- (1)私たちがコントロールできる行動は唯一自分の行動だけである。
- (2)私たちが与えることができるもの、他の人から受け取るものはすべて情報である。その情報をどう処理するかは、それぞれの選択である。
- (3)長期に渡るすべての心理的問題は、人間関係の問題である。
- (4)問題のある人間関係は、常に私たちの現在の生活の一部である。
- (5)過去に起こった苦痛は私たちの現在に大きく関係しているが、この苦痛な過去に再び戻ることは、いま私たちがする必要のあること、すなわち現在の人間関係の改善には貢献できない。
- (6)私たちは、遺伝子に組み込まれた欲求、すなわち生存、愛と所属、力、自由、そして楽しみ、これら5つの欲求によって駆り立てられている。
- (7)私たちは、上質世界に入っているイメージ写真を満足させることによってのみ、こうした欲求を満たすことができる。
- (8)私たちが誕生して死を迎えるまでにできることはすべて、行為、思考、感情、身体反応、これらのうちいずれかの行動である。
- (9)すべての行動は、動詞、あるいは不定詞や動名詞によって表現され、最も認めやすい要素によって呼ばれる。
- (10)すべての行動は選択されたものであるが、私たちが直接コントロールできるのは行為と思考だけである。
- 選択理論の10の原理
就活SST
前回は、欲求が満たされない時に、新たな選択肢を作り出す”創造性”について紹介しました。
今回は、ここまでの話を「10の原理」としてまとめて振り返りをします。
選択理論の10の原理
ここまで、SSTのプログラムにおいて紹介してきた選択理論の考え方を「10の原理」としてまとめました。
(1)私たちがコントロールできる行動は唯一自分の行動だけである。
他者の行動をコントロールすることはできません。
しかも、他者の行動をコントロールしようとする行為が、周囲にネガティブな印象を与えてしまいます。
自分がどのように行動するかをコントロールすることが重要です。
(2)私たちが与えることができるもの、他の人から受け取るものはすべて情報である。その情報をどう処理するかは、それぞれの選択である。
他者をコントロールできないといっても、働きかけることができないというわけではありません。
なにかを伝えたり、お願いしたりすることで、自分の意思を伝えることは大切です。
しかし、それを受けてどう判断するかは、あくまで相手自身が決めることです。
反対に、自分が周囲からどのような情報を受け取ったとしても、それに対して行う行動は”自分で選んだ”行動なのです。
(3)長期に渡るすべての心理的問題は、人間関係の問題である。
長期間にわたってストレスとなってしまうような問題を、今現在抱えてしまっているでしょうか。
もしも抱えているとしたら、それは他者との関りに関係する問題ではないでしょうか。
他者が関わらない問題は、一時的な悩みになることはあっても、長続きしないことがほとんどです。
しかし、他者の関わる人間関係の問題は、意識して動かなければ、長く残り続けてしまうこともあります。
(4)問題のある人間関係は、常に私たちの現在の生活の一部である。
人間関係に問題がある時、「あの時のあの行いがなければ」などとつい過去に目を向けてしまうかもしれません。
しかし、現に問題が起きており、困っているのは今この時です。
変えることのできない過去に目を向けるのではなく、変えることのできる今に目を向けることが大切です。
(5)過去に起こった苦痛は私たちの現在に大きく関係しているが、この苦痛な過去に再び戻ることは、いま私たちがする必要のあること、すなわち現在の人間関係の改善には貢献できない。
自分の行動をコントロールして帰ることができるのは、今後のことだけです。
今後必要な行動を考えるために過去に目を向けるのは良いですが、すでに起きたことを悔やんだり、恨んだりしても、今起きている問題の解決には寄与しません。
(6)私たちは、遺伝子に組み込まれた欲求、すなわち生存、愛と所属、力、自由、そして楽しみ、これら5つの欲求によって駆り立てられている。
私たちの行動はすべて、5つの基本的欲求を満たすことを目的に決定されています。
5つの基本欲求とはすなわち、「健康でありたい」等の生存の欲求、「誰かと一緒にいたい」等の愛と所属欲求、「競争で勝ちたい」等の力の欲求、「自分で決めたい」等の自由の欲求、「新しいことを知りたい」等の自由の欲求 の5つです。
(7)私たちは、上質世界に入っているイメージ写真を満足させることによってのみ、こうした欲求を満たすことができる。
欲求を満たすために必要なものは、人によって異なります。
自分の過去の経験において、心地よい時間を過ごせた趣味や、一緒にいて楽しかった人などが”上質世界”に記録され、欲求を満たすために求めるようになります。
(8)私たちが誕生して死を迎えるまでにできることはすべて、行為、思考、感情、身体反応、これらのうちいずれかの行動である。
“行動”を分解すると、「行為」=動くこと、「思考」=考えること、「感情」=快不快といった気分、「身体反応」=無意識に行われる体の反応 の4つに分けられます。
このうち、行為と思考は直接のコントロールが、感情と身体反応は間接的なコントロールが可能です。
(9)すべての行動は、動詞、あるいは不定詞や動名詞によって表現され、最も認めやすい要素によって呼ばれる。
これは、「感情」もまた、自分で選んだ行動である、ということです。
例えば「落ち込む」という感情も、選択理論においては「落ち込むことを選んでいる」と考えます。
(10)すべての行動は選択されたものであるが、私たちが直接コントロールできるのは行為と思考だけである。
あらゆる場面において、自分にできることは、「行為」か「思考」をコントロールすることのみです。
こう聞くと、何が起きてもできることがほとんどなく、不自由であるように感じられるかもしれません。
しかし、それは逆です。
普段不自由を感じるのは、自分にコントロールができないものに意識を向けているからです。
自分がコントロールできることのみに注力すれば、自分の望む方向に行動していくことができるため、結果的にはより自由に動けるようになるはずです。