気分障害とは・・・~うつ病だと思っていたら気分障害だった?!~

今回からは、気分障害について勉強していきます!

第25回 教えて!リス太くん

Dysthymia…?

なんか聞いた事あるよーな…

気分障害とは

精神疾患のひとつのグループを表す言葉です。

気分とは感情とほぼ同じ意味で、昔は 感情障害とも言われていました。

持続期間は、疾患ごとにやや異なりますが、

気分をうまくコントロールできないために、苦痛を感じたり、

日常生活に何らかの支障をきたしたりする状態のことをいいます。

ほぼ1日中持続する抑うつ気分が長期間続く慢性疾患です。

 

病気の特徴

社会や家庭への不適応感や罪責感、さまざまな刺激への過敏性、

人や社会への怒り、社会からのひきこもり、興味の喪失、

疲れやすさや活力の減退、生産性の欠如です。

 

うつ病(大うつ病性障害 major depressive disorder)とは極めてよく似た病気ですが、

「常時落ち込んでいる」という訴えや症状より軽症で、

より長い経過をたどる点で、うつ病と区別することができます。

最初はうつ病と診断されている場合も意外に多いのですが、

その経過が長く軽症であることから、通院中に診断名が、

うつ病から気分変調性障害に変更されることもあります。

 

『Dysthymia』とは不機嫌を意味することばです。

『Dysthymia』は、米国の分類では、気分変調性障害といい、

WHOの分類では、気分変調症といいます。

以前から、日本では抑うつ神経症といわれていた病気で、

神経症性うつ病とも言われていました。

 

男性より女性にやや多く、21歳以前に始まる早期発症型は少なく、

一般には20-35歳の間に発症します。

うつ病の第一度近親(親、子、兄弟姉妹、二卵性双生児など、遺伝子を半分共有している方)

に多く見られます。

症 状

気分変調症は、慢性的で軽度な抑うつ状態、

生活全般にわたって興味の消失や何事も楽しめないという気分とともに、

以下のような症状が見られます。

·       食欲の不振または過食

·       不眠または過眠

·       疲労感の持続(倦怠感)

·       自分は価値がない、自信が持てない(自尊心の低下)

·       自己嫌悪感や罪悪感を伴う

·       集中力の低下

·       決断を下すのが困難

·       絶望感を覚える

大うつ病の場合、症状は客観的であるのに対して、

気分変調症の場合、症状はより主観的であり、食欲や性欲の減退や、

焦燥感や精神運動制止は認めにくいという特徴があります。

日常的な憂うつ、くよくよと気にやむこと、

生活上の喜びの欠如、不適切な思い込みが見られます。

これらの症状のうち、少なくとも2つの症状を常に呈し、

それがほぼ毎日続き、途中で普通の気分の期間があっても、

2年以上症状が続きます。

症状は、1日のなかでも、後半に悪化する傾向があります。

中には、生まれてから現在に至るまで、

すっと憂うつだったという人もいます。

気分変調症の特徴として、気分の落ち込みや、気力や集中力の低下など、

うつ病特有の抑うつ気分はみられるも、

楽しいことがあると一時的に気分が明るくなる「気分反応性」が見られることが、

定型うつ病とは異なっています。

原 因

うつ病と気分変調症の原因を、生物科学的な研究成果でみた場合、

病因は同じであるという考えと、異なるという考えがあって、

現在のところはっきり解明されていません。

うつ病では、副腎系の抑制が観察されていますが、気分変調症ではその異常はなく

他方で甲状腺系の異常が出る割合が高くなっています。

睡眠時の脳波の特徴はうつ病と極似しており、抗うつ剤が奏功することを示しています。

精神分析理論によれば、人格や自我発達の結果としてこの疾患が発症すると考えられています。

過度な規則正しさ、罪責感、他者への気遣い、低い自尊心、快楽消失、内省好きなどの

性格形成との関連が指摘されています。

認知療法論では、現実と理想の落差が、自尊心を傷つけ、

無力感を生じさせているものと仮定しています。

社会的、心理的な慢性ストレスとの関係も指摘されています。

 

気分変調症の生涯有病率は約6%で、時点有病率は約3%と言われます。

人口の約6%は、16~17人に1人の割合でこの病気にかかっていることになります。

また女性では、男性の2~3倍多いとされていますが、

気分変調性障害患者の家族の84%に大うつ病などの気分障害があるとも言われています。

受診されている全体のうち、約3割から5割を気分変調症が占めているともいわれます。

治療を受けてから1年以内に治る方は10%くらいです。

25%の方は治療を受けても治らないといわれていますが、

治療を受けたほうが圧倒的に症状は改善し、治療によって症状は軽くなります。

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