てんかんとは?① ~こんなにあるんだ てんかんの種類~

今週はてんかんについて学んでいきましょう!

 

第26回 教えて!リス太くん

てんかんにもいろいろな種類があるんだ!

患者数も1000人に5人~8人(日本全体で60万~100万人)と、

誰もがかかる可能性のあるありふれた病気のひとつです。

発症年齢は、乳幼児から高齢者までと幅広く、約80%が18歳以下で発症しています。

そのなかでも3歳までに発症する割合が最も多くなっています。

 

てんかんとはどんな病気?

「てんかん」は発作を繰り返す脳の病気で、年齢、性別、人種の関係なく発病します。

人間の体には、神経が張りめぐらされ、

その神経の中を弱い電気信号が通ることによっていろいろな情報が伝達されます。

脳には神経細胞が集合し、さまざまな情報を処理しています。

 

目や耳から入る情報、皮膚で感じる情報、匂いや味などの情報は、

神経を通じて脳に伝達されることによって、「きれい」「暑い」などと感じます。

意識していない心臓の動きの調節や呼吸や、

「話す」「走る」などのように、意識することによって行う動きも脳からの命令であり、

感情・情緒・理性などの精神活動や記憶も制御しています。

大脳の神経細胞(ニューロン)は規則正しいリズムでお互いに調和を保ちながら

電気的に活動していますが、脳内の電気信号が何らかの原因で乱れると

穏やかなリズムを持った活動が突然崩れて、激しい電気的な乱れが突発的に過剰に放出されます。

こうなると脳は適切に情報を受け取ることや命令ができなくなり、体の動きをコントロールできなくなります。

こうして起こるのがてんかんであり、

脳のどの範囲で電気発射が起こるかにより様々な「発作症状」を示します。

しかし症状は基本的に一過性で同じ発作が繰り返し起こり、

てんかん発作終了後は元通りの状態に回復することが

特徴です。

 

 部分発作

過剰な電気的興奮が脳の一部に限定されて起こる発作です。

意識がはっきりしている単純部分発作と、意識障害が伴う複雑部分発作に分けられます。

なお、部分発作の中には、限定された部位の過剰な興奮が大脳全体に広がるものもあり、

部分発作に続いて全般発作がみられるものがあります。

発作の始まり方から部分発作に含まれますが、次の段階で電気的興奮が広がっていくことから、

「二次性全般化発作」と呼ばれます。

 

(1)    単純部分発作

体の一部分に症状が現れる発作。意識ははっきりしています。

手足の一部に現れていた発作が徐々に両手両足へと進んでいく状態を「ジャクソン行進」といいます。

患者さん本人は意識があるため、発作の始まりから終わりまで、症状をすべて覚えています。

過剰な電気的興奮を起こす部位によって、運動機能の障害(手足や顔がつっぱる、

ねじれる、ガクガクとけいれんする、体全体が片方に引かれる、回転する等)や、

視覚や聴覚の異常(小さな虫が飛びまわっているように見える、人が話す声が聞こえる等)、

自律神経の異常(頭痛や吐き気を催す等)など多彩な症状が

みられます。

 

(2)  複雑部分発作

単純部分発作からの移行、または初めから意識が薄れた状態での発作です。

約1~2分で回復します。症状が進むと手足の痙攣が激しくなったり、口から泡を吹いたり、

意識を失うこともあります。

意識が徐々に遠のいていき、周囲の状況がわからなくなるような

意識障害がみられる発作で、患者さん本人には記憶障害がみられます。

しかし、意識障害中に倒れることは少なく、 たとえば、急に動作を止め、

顔をボーっとさせるといった発作(意識減損発作)や、辺りをフラフラと歩き回ったり、

手をたたく、口をモグモグさせるといった無意味な動作を繰り返す(自動症)などの症状が

みられます。

 

( 3 )    二次性全般化発作

単純部分発作または複雑部分発作の症状から始まり、

ほとんどの場合は強直(きょうち ょく)間代(かんたい)発作に

進展します。

発作が始まる前に「前兆」がみられ、意識が消失します。

症状だけでは強直・間代発作との見分けが難しい発作ですが、

脳波の測定により診断できます。

 

全般発作

大脳の両側にまたがる広い範囲で過剰な興奮が起こることで発生する発作です。

発作時には、ほとんどの患者さんの意識はありません。

 

(1)強直間代発作

突然発症して体が硬直して倒れ、全身が痙攣し、意識を失う。約1~2分で回復する。

回復後、発作のことを覚えていない場合が多い。

発作後は、自然睡眠(終末睡眠)と

呼ばれる30分〜1時間くらいの眠りに

移行することがありますが、その後は普段の生活に戻ります。

発作直後は意識がもうろうとし、物にぶつかったり、

熱い物に触ってやけどをするなど、

もうろう状態での事故も少なくないので注意が必要です。

 

強直(きょうちょく)発作

突然意識を失い、口を固く食いしばり、呼吸が止まり、

手足を伸ばした格好で全身を硬くしていきます。

数秒〜数十秒間持続します。

強直したまま激しく倒れ、けがをすることもあります。

 

(1 ) 間代(かんたい)発作

膝などを折り曲げる格好をとり、

手足をガクガクと一定のリズムで曲げたり伸ばしたりするけいれんが起こります。

一般には数十秒で終わりますが時に1分以上続くこともあります。

(2) 脱力発作

瞬間的に筋肉の力が抜けたり意識を失ったり全身の筋肉の緊張が

低下・消失するために、くずれるように倒れてしまう発作です。

発作の持続時間は数秒以内と短く、発作と気づかれにくいこともあります。

 

(3) 欠神(けっしん)発作

数秒から数十秒程度の短い発作でけいれんを起こしたり、

倒れたりはしません。

話をしたり、何かをしているときに、突然意識がなくなるので、

急に話が途切れたり動作が止まったりします。

注意力がない、集中できない、などと思われて、

周囲の人がてんかん発作であることに気が付かないこともあります。

•      突然症状がなくなり、ぼんやりした目つきになる

•      眼球が上転する

•      まぶたがピクピクする(1秒間に3回程度の頻度)

•      動作を停止する

•      反応しなくなる

などの症状が見られます。

 

(3)    ミオクロニー発作

全身あるいは手足など、どこか一部分の筋肉が一瞬ピクッと収縮する発作です。

瞬間的な症状のため、自覚することが少ない発作ですが、連続して数回起こることもあります。

また、転倒したり、持っている物を投げ飛ばしてしまうほど症状が強いこともあります。

光によって誘発されることもあり、寝起きや寝入りに起こりやすい傾向があります。

てんかん重積状態

発作が15分以上続いたり、短い発作の場合でも繰り返し起こって

その間の意識がない状態で呼吸困難に陥り、

心臓や脳に重い障害が残ることや生命に危険が及ぶ可能性があります。

発作が「30分間以上続いた場合」に

重積状態とされていましたが、

最近の考え方では5〜10分間以上発作が続く場合は

てんかん重積状態と判断して治療を開始するように

なりました。

 

また、現在の医療では、

適切な治療で発作を70~80%の人でコントロール可能であり、

多くの人たちが普通に社会生活を営んでいます。

しかし、2割の人は、薬を飲んでも発作をコントロールできない状態で、

「難治性てんかん」と呼ばれるものもあります。