第三回メンタルヘルス講座が開催されました!
本日8月28日の日曜日、無料連続メンタルヘルス講座の第3回、
「私のうつはなぜ治らない? ~うつにもいろいろ、治し方もいろいろ~」
が開催されました。
少しずつ過ごしやすい気温にはなってきましたが、まだ蒸し暑さが続いている中、
初めての方にも来ていただけて、今回も滞りなく開催されました。
ウォーミングアップで良い姿勢を作り、呼吸を合わせて・・・いざ今回のテーマです。
うつ病の判断基準
まずは、自分がうつ病であるのかどうかの診断基準を教えてもらいました。
8月26日の教えて!リス太くんでも紹介しましたが、改めて紹介します。
①ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。気分の落ち込み
②ほとんど1日中、ほとんど毎日、趣味や食事などの楽しさや喜びが感じられなくなる
③著しい体重減少、あるいは体重増加、またはほとんど毎日の食欲不振や過食
④ほとんど毎日の睡眠不足または睡眠過多
⑤ほとんど毎日、あせってイライラする、落ち着けない。しかし素早く動けない
⑥ほとんど毎日、心身のエネルギーがなくなって非常に疲れやすい、気力が出ない
⑦自分に価値がないという気持ち、または過剰、不適切な罪責感をほとんど毎日覚える。
⑧思考力や集中力がなくなる。小さなことでも決められなくなる状態がほとんど毎日続く
⑨死ぬことをたびたび考える。自殺の計画を考えたり、自殺に繋がる行動を起こす
このうち5つ以上が2週間以内にあり、そのうち少なくとも1つが①か②である場合、
うつ病の可能性が高いと言われています。
ただし、ただし、身体の病気や薬物アルコール、統合失調症など
他の精神疾患が原因の場合や、
①~⑨の症状が目立たず、身体の症状が目立つうつ病なども存在するため、
このチェックですべてがわかるわけではありません。
うつ病は治る病気です!
うつ病であるかどうかにかかわらず、自殺だけは絶対に避けなければいけません!
以下の自殺のサインをチェックして、ご自分や周囲の人の自殺を防いでください。
自殺のサイン
≪行動の変化≫
・周囲と交流しなくなり、部屋に引きこもり、新聞・テレビを見なくなる
・食事や酒の量が変化する(食欲低下、深酒、酒がまずいなど)
・怒りっぽく、周囲の音に敏感になる
・軽いケガや交通事故を繰り返す
・周囲の状況に合わない感謝を表現したり、
手紙や写真を整理する、大切なものを人に譲るなどの行為を取る
≪身体の症状≫
・睡眠がおかしくなる(不眠、夜中に何度も目が覚める、早朝覚醒など)
・疲労感が強くなる(特に朝~午前中)
・頭が重い感じ、肩凝り、腰痛などの痛みが増強する
・軽いケガや交通事故を繰り返す
・便秘、下痢などの消化器症状が起きたり、トイレの回数が増える
≪話すことの変化≫
・自分を責める言葉を口にする
(例)「これ以上、家族や同僚、みんなに迷惑をかけられない」
・自分が死ぬと家族が貧困に陥ることを口にする
(例)「俺がいなくなったら家族が路頭に迷う」
→矛盾するようですが、こう言ったあとすぐ死んでしまうこともあるそうです
・職場での将来に関して、絶望的な状況を口にする
(例)「誰も自分を必要としない」「将来、希望無しだ」
※自殺を起こすのは、発症初めのころ、あるいは回復期に多いと言われています。
うつ状態がひどいときには、自殺をするためのエネルギーもありません。
そのため、うつ病とはっきりわかっていない頃や、
あるいは一度回復し、仕事の遅れを取り戻そうと無理をした時などが
一番危ないと言われています。
うつ病の治療方法
①十分な休養
②薬物療法(抗うつ剤服用)
その他、日光にあたる。回復して来たら、医師と相談の上、散歩などの軽い運動を日課にするなど
うつ病は一直線に治るようなものではありません。
一進一退しながら少しずつよくなるものなので、焦って以前のような
仕事や生活に急速に戻ろうとすると、再発のリスクが高まります。
しかし、これらの治療を行っても改善がないようであれば
「うつ病」ではなく他の「うつ症状」を起こす心身の病気である可能性があります。
うつ状態を引き起こすのは、「うつ病」だけではありません!
ここからが、今回のテーマ「うつにもいろいろ、治し方もいろいろ」という部分です。
うつ状態を引き起こす疾患には様々なものがあります。
今日の講座で出てきたのは、
≪身体疾患≫
・甲状腺機能低下症(橋本病)ほか甲状腺の異常
・更年期障害
・更年期障害以外の性ホルモンの乱れ
・クッシング症候群
・パーキンソン病
・認知症
・その他脳疾患・脳外傷
・糖尿病
・低血糖
≪精神疾患≫
・双極性障害(≒躁うつ病)のうつ期
・統合失調症の陰性症状
・適応障害
・いろいろな依存症に関連するもの(離脱症状、ドライドランクなど含む
・PTSDなどトラウマが原因となるもの
≪物質影響≫
・アルコールや薬物の影響(※依存症とうつの関連については、次回の講座でやります)
・その他、飲食物や環境影響などによるもの。アレルギー。化学物質過敏症。
低血糖
脳に糖分が回らないために、エンジンがかからないような状態になります。
この状態では、イライラを感じたり、うつ症状が起きたりします。
そこで糖分が欲しくなり、食べ始めてしまうと一気に過剰な糖分が摂取されてしまい、
脳が酔っぱらったような状態になってしまうそうです。
そのため、低血糖の人は、
①完全空腹の状態をつくらない(間食は×。糖分、でんぷんを取りすぎない)
②食事の際は、
1.塩味のおかず
2.主食
(3.適度なデザート)
をとる
上の2つに注意してみてください。
PTSD、トラウマ
PTSDやトラウマが原因となっている症状は、薬などで治すことはできません。
この場合は、PTSDやトラウマの治療を行っているクリニックや、
同じような症状に悩んでいる当事者のグループに参加することが
快復の近道となります。
新型うつ病
「新型うつ病」は正式な病名ではありません。
一般的なうつ病と違い、会社にいる間はうつ症状が出るが、
家に帰ると元気になるなどの特徴があります。
しかし、新型うつ病が「甘え」だというわけではありません。
いわゆる「ブラック」な勤務形態であったり、ハラスメントを
受けていることが原因となることが多くあります。
その場合、本格的なうつ病や、その他の障害にかかってしまう前に、
休養を取ることも大切です。
次回メンタルヘルス講座
メンタルヘルス講座は、来月以降も毎月第4日曜日に開催していきます。
連続講座となっていますが、テーマは毎回異なりますので、今回までの講座に来ていない方でも大歓迎です!
次回の開催は9月25日です。
テーマは・・・
「うつ」の原因は依存症?