リスタートプログラム紹介:読解

新聞読解の目的・効果

 

リスタートでは、新聞の1記事を読み、それについて意見を言い合う「読解」というプログラムを毎日行っています。

このプログラムの目的は、「脳の活性化」「コミュニケーションへの抵抗の軽減」にあります。

 

コミュニケーションを取るのが苦手な人は、脳の前頭葉が十分に働いていない可能性が高いそうです。

前頭葉に刺激を与え、脳を活性化させるためには、文章をイメージし、想像力を発揮して読むことが効果的です。

また、新しい情報や難しい言葉に触れることは、脳の活性化にはより効果的です。

さらに、それによって語彙を増やし、言語能力を高めることによって、人と話すことへの抵抗を軽減することにも繋がります。

 

●読解によってこんなことまで変わる!~前頭葉のはたらき~

 

前頭葉は、言語能力の他にやる気や自制心などとも関連しています。

 

・意欲

前頭葉には、意欲・・・すなわちやる気に関する作用があります。

脳が刺激されることなく毎日を過ごしていると、だんだんとやる気がなくなり、何をするのもおっくうになってしまいます。

しかし、脳に適度な刺激を与えることによって行動力を高めていくことができます。

それによって、徐々に外出することなどもおっくうではなくなります。

 

・自制心

前頭葉が鍛えられることで自制心も強くなっていきます。

意欲の上昇と合わさって、やらなければいけなかったことや向き合わなければならなかったことを先延ばしにせず、面倒でもやろうという気持ちが出てくるようになります。

 

セロトニン

セロトニンは、心身の安定や心のやすらぎなどに関与する神経伝達物質です。

脳が活性化すると、このセロトニンの分泌量が高まります。

これによって、うつを予防することができ、物忘れも改善されると言われています。

また、イライラする気持ちを落ち着けて、ストレスを解消する効果もあります。

 

音読の効果

 

読解の目的である「脳の活性化」のためには、実は黙読よりも音読が有効であると言われています。

そこで、読解の時間に、新聞を読んで話すのとは別に「音読」を取り入れています。

流石に新聞記事をすべて音読するのは難しいので、音読用のテキストを用意して行っています。

音読なんて小学生以来だという方も多いと思いますが、音読には数々のメリットがあるんです。

 

①意欲・自制心・セロトニン

読解の効果としても紹介したこれらの効果は、音読を行うことで更に強くなります。

音読は、文字を「読み取る」「理解する」「声に出す」「声に出したものを音として聞く」「再び理解する」など、「視覚」「聴覚」をフルに使って複数の処理を行います。

そのため、「聴覚」を使わない黙読よりも脳が活性化されるのです。

②眠気の改善

強い眠気を感じていた時に誰かに話しかけられて、話しているうちに眠くなくなった・・・なんて経験はありませんでしょうか?

声を出して誰かとコミュニケーションをとると、脳が活性化され、眠気が軽減されると言われています。

誰かと話す時ほどではありませんが、音読にも眠気を覚ます効果があります。

中々生活リズムが整わず、プログラムに集中できない、なんていう悩みも解決できるかもしれません。

③頭の回転を速くする

複数の処理を行っている音読を繰り返すと、段々と脳が並行して処理することに慣れてきます。

すると、より素早く情報を処理することができるように・・・つまり、頭の回転が速くなっていきます。

頭の回転が速くなると、考えが早く出せるようになるだけでなく、同じ時間でも色々な方面から考えを吟味することができるようになるので、よりよい意見を出しやすくなります。

●音読の有効なやりかた

音読をさらに有効に行うためのコツは、「速く読むこと」と、「読んでいる内容を具体的にイメージすることです。

速く読むことや、文章の内容を頭の中に思い描くことは、より多くの処理を脳にさせます。

そのため、脳は活性化しやすくなり、また、頭の回転を鍛えるのにも役立ちます。

利用者さんに聞いてみました!

リスタートに通う利用者さんの1人に、リスタートの新聞読解プログラムについてインタビューさせてもらいました!

Q:新聞読解を始めて、変わったと思うことはありますか?

はい、本を読むスピードや頭の回転が速くなったと思います。

私自身リスタートに入った時は休職や退職を経験した直後だったので、社会的にブランクがあった状態でした。

ブランクの期間は生活のリズムが崩れていたりトレーニングを全くしていない状態だったので、本を読むスピードや勉強した内容を覚える速さ、文章を書くスピードや人に意見を伝える能力など、全体的な能力(事務処理的な能力やコミュニケーション能力など)が本来のパフォーマンスより落ちた状態だったと思います。

しかし、毎日の新聞読解を通じて、自分のパフォーマンスが一定のレベルまで戻ったと思います。

具体的には、一つの新聞記事を10分程度で読んで、読んだ内容を頭の中で整理する、そして何らかの疑問点や意見を考えて、発表する。

このプロセスを毎日行うことによって、自分の脳や頭に一定の負荷をかけることになり、良いトレーニングになり、徐々にレベルを上げていけたと思います。

このプログラムは、社会的にブランクがある人だけでなく、まだ社会に出ていない人にも有益なプログラムです。

会議や普段のコミュニケーションで意見や考えを求められることは、社会で多々あります。

その中で、自分の意見を整理して発表をするというトレーニングを繰り返し行うということは、とても有意義だと思います。

 

Q:読解の効果が出ていると感じたエピソードなどがあれば教えて下さい

新聞読解のプログラムでは、政治や年金などの時事問題から、IT・スポーツ、芸術の分野まで幅広く扱っているので、記事を読んでいるだけで、普段のニュースやテレビで話されていることの理解や見方が変わってきます。

また、読解プログラムでは、利用者が司会をすることが多いのですが、他の利用者の意見を聞いてそれをまとめるという経験も、社会に出る上で非常に良い経験だと思いました。

様々な意見が出てくる中で、各自の意見や疑問・エピソードを交えながら途中からみんなでフリーに話すのですが、決して固い雰囲気ではなく気軽に思ったことを話すのもコミュニケーションの練習になり、良いことだと思います。

私自身サッカーが大好きなので、W杯予選の記事を取り上げて頂いた時は多くの内容を熱く話してしまいました(笑)

また、利用者やスタッフにもITに詳しい方や介護に携わっていた方、イラストに携わっていた方など、各記事によってそれぞれの経験やエピソードを聞かせて頂けるのはいつも楽しみにしています。