リス太と学ぶ認知行動療法 ~自分を褒める~

どう? 感情への点数付け、続けてる?
それが、できる限りやってるんだけど、毎日はできてないんだ・・・。
お、ちゃんとワークを進めてて、できない日があってもできるだけ毎日できるようにしてるなんて・・・とってもえらいよ!K君!
ええっ、そんなことないよ!結局毎日やれてないんだし、ちゃんと毎日やっている人に比べたら僕なんて・・・
それだよ!K君!
な、なんのこと!?
今回のテーマは、自分で自分を褒めて、自己肯定感を取り戻すこと!

 

そのためには、今K君が言ったような自己評価を変えていく必要があるんだ!

 

「相対評価」と「絶対評価」

 

何かを評価する方法には、「相対評価」と「絶対評価」があるんだ。
「相対評価」と「絶対評価」? どう違うの?
相対評価は、誰それよりも勉強ができないとか、誰それよりも走るのが遅いっていうように、他の人と比べる評価方法だよ。
さっきの僕の「ちゃんと毎日やっている人に比べたら」っていうのはまさに相対評価だったんだね。
それに対して絶対評価は、他の何かと比べるのではなく、無条件に価値を認める評価のことなんだ。
ええと、さっきの例で言うなら、「自分は走るのが速い」とか、「勉強ができる」っていう風に他の人と比べずに自分を評価するってことか。
子どもの頃は自分の絶対評価を大事にしていても、大人になるとそれを忘れてしまいがちなんだ。

 

でも、自分は大丈夫だ、OKだっていうような自分を肯定する感情(自己肯定感)をしっかり持つことが、認知行動療法では大事だとされているんだよ。

自己肯定感

自己肯定感って、なんのこと?
自己肯定感とは、自分のことを大切に思ったり、価値のある存在だと認める姿勢のことだよ。

 

逆に、自分のことを嫌いだと思ったり、自分は価値のない人間だと感じたりするときは、自己肯定感を失っている状態だと言えるんだ。
うーん、自己肯定感がある方が生きやすそうだけど、どうすれば取り戻せるんだろう?
自己肯定感を取り戻すためには、自分の長所を把握して、自分を褒めてあげることが大事なんだ。

 

そうだね。さっそくだけどやってみようか。K君、自分の長所を10個挙げてみて!
えーっ!そんなに思いつくかなあ?悪いところだったらたくさん浮かんでくるんだけど・・・。
そんな時はリフレーミングだよ!一見短所に思えることも、言い方を変えて長所として捉えよう!
リスタートの自己PR講座やSSTでやったことある!「仕事が遅い」を「仕事が丁寧」と考えたり、「細かい」を「几帳面」と考えてみればいいんだよね? よーし、やってみよう!

K君の長所リスト

1.細かいことにこだわらず、全体を見る
2.面倒見がいい
3.マナーがしっかりしている
4.動物に好かれる
5.省エネを心掛けている
6.活発
7.フットワークが軽い
8.素直
9.協調性がある
10.一生懸命

うんうん!いいリストができたじゃないか!
なんかちょっと恥ずかしいね。
自分の長所は、自分で思っているよりも多かったんじゃないかな? ところで、自分で自分の長所を見つけた時、どんな感情になった? 前回の復習だよ!
そうだなぁ・・・。「うれしい」とか「幸福」とか、快の感情だったよ!
人は、他人から褒められると「うれしい」「幸福」っていう感情になるんだけど、大人になると誰かに褒められることって減ってしまうよね?
仕事が上手くいって褒められたことはあるけど、怒られたことも何度かあるし、子どもの頃ほどは褒めてもらってないなぁ・・・。
他人から褒められなくなると、「うれしい」「幸福」って感情を持つチャンスが減ってしまうんだけど、自分で自分を褒めることで、このチャンスを作ることができるんだ。

 

これらの感情を持つことは、「うつ」や「不安」の悪循環から抜け出すのにもとても重要なんだ。

 

自分で自分を褒めたり、認めてあげることは、認知行動療法の基本と言ってもいいくらい大切だよ!
そうなんだ・・・。うん!それじゃあ僕、これから毎日、自分のことを褒めてみるよ!
よーし、その意気だ! ちゃんと認知行動療法にチャレンジし続けていることも、褒めてあげてね!
うん!他の人がどうしているかなんて関係ないもんね。ちゃんとワークに取り組んで、変わろうとしている僕は立派なんだ!

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