リス太と学ぶ認知行動療法 ~自尊感情とは~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

今日からは、「自尊感情」について説明していくよ。
自尊感情・・・何度か聞いた言葉だけど、そういえば、ちゃんとした意味って知らないかも。
自尊感情とはどのようなものなのか、どうすれば得ることができるのか。考えてみよう!

 

自尊感情

自尊感情っていう言葉そのものの意味としては、「自分には価値があり、尊敬される人間であると思える感情」でいいんだよね?
そうだね。「自己肯定感」という言葉とも、ほとんど同じ意味と言えるかな。
ふむふむ
そこで、まず考えてほしいんだけど、K君は、自分が劣等感を持って、自尊感情の低下を感じる状況って何かあるかな?
うーんと、そうだなあ。批判されたときや、拒絶されたときには、僕には価値がないのかなって思っちゃうかも。
それじゃあ、そんなときに、どんな否定的感情を持ったかな?
感情かあ。劣等感とか、悲しい気持ち、それから怒りの気持ちもあったかも。
なるほど。じゃあ、その状況で考えたことや言ったことについては覚えてる?
「僕に価値がないから拒絶されたのかな」とか、「批判されてしまうなんて、やっぱり僕はダメなのかも」なんて考えていたかなあ。
低い自尊感情によってどんな結果になったかな? 生産性や、人間関係に影響を及ぼしたことはあった?
一度拒絶されてしまってから、僕は価値がない人間だから、また拒絶されてしまうかもしれないって思ったら怖くって・・・
批判されないように他の人に合わせたり、顔色を窺ってしまうところがあるかもしれない。
答えてくれてありがとう。 今の分析で、自尊感情はどういうときに下がってしまい、それによって何が起こるのか、見えてきたかな?
うん・・・。状況や気持ちは人によって色々だけど、自尊感情が低いと、自分で自分を追い込んでしまうことに繋がるんだね。
そうなんだ。それじゃあ、自尊心がすごく高かったらどうなると思う?
それは、自分に自信を持てるからいいこと・・・なのかな? あれ、でも、そういうのって、傲慢な態度になっちゃったりするのかな?

 

自尊感情と傲慢

健全な自尊感情は、自分を認めるだけでなく、他人にも好意と尊敬の念を持つけれど、過剰な自尊感情は、K君が考えた通り、傲慢さに繋がってしまうこともあるんだ。
自分に対して現実以上に価値があると考えることで、他人に対して敬意を払わなくなってしまうんだね。
さらに、この場合は、自分に対する批判を受け入れることができなくなってしまい、失敗があった時も自分には責任がなく、周囲の人間が悪いと考えるようになってしまうこともあるんだ。
うーん、高ければ高いだけいいというわけではなくて、適切で健全な自尊感情を持つことが大事なんだね。

 

自尊感情と自信

さて、最後にもう一つ考えてみよう。自尊感情は、”自信”と同じものだろうか?
自信があるっていうことは、自分の力を認めているってことだよね?
それなら、同じもの、なのかなあ?
実は、自尊感情と自信はよく似ているけれど、本質は別なんだよ。
ええっ、そうなの?
自信っていうのは、「過去に成功したから、今回も成功するだろう」っていう、経験や知識に基づくものなんだ。
自尊感情は違うの?
自尊感情っていうのは、いわば勝っても負けても、自分自身を尊敬して好きでいられる能力のことなんだ。
うーん、なるほど?
一つ例を出してみようか。もしもK君が、これからプロのテニスプレイヤーと試合をすることになったとしたら、自信は持てるかな?
ええっ!僕、テニスはほとんどしたことないよ。絶対に負けちゃうだろうし、自信なんてまったくないよ!
ふむふむ、それじゃあ、あっさりと負けてしまったとしよう。K君は、負けてしまった自分を責めたり、劣った人間であると考えるかな?
ううーん、プロと僕じゃあ元々勝負にならないし、負けたからって自分を責めるようなことはしないんじゃないかな。
そう、それが、自信と自尊感情の違いだよ
えっ?
成功する”自信”を持つことはできなくても、失敗したときにそれを受け入れて、その上で自分を責めることもなく自分の価値を認める。
それが自尊感情なんだ。
おお、なるほど!
続きは次回! 自尊感情のメリット・デメリット分析をしてみるよ!

 

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