非定型うつ2 ~おもな症状~

うつの症状が出ないうつ!? 「非定型うつ」について、症状や初期症状を解説していきます。
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いわゆる「うつ病」とは違う症状が出る「非定型うつ」。今回は初期症状、特徴的な症状を詳しく見ていくよ!

 

非定型うつの初期症状

非定型うつの初期症状とされる症状がいくつかあるよ。
もし続くようなら、非定型うつの可能性があるね。

非定型うつの初期症状1:涙・よく泣く

そう。まず、涙が出るようになった・よく泣くようになったというもの。
不安や抑うつっぽいね。
そう。「自分だけ不幸だ」とか「誰も理解してくれない」など、嫉妬したり悲観的に考えたり、絶望感や焦燥感が出てくるんだ。
感情をコントロールしにくくなっているんだね。

非定型うつの初期症状2:甘いものが食べたい

次に、無性に甘いものが食べたくなるというもの。
疲れていると、甘いものが食べたくなるけど、関係しているかな。
うん、甘いものは抑うつ感情を抑える効果があるから、気分をよくする甘いものを食べたくなるようなんだ。
ただ、気分が紛れるのは食べているときだけだから、食べ終わってしまうと落ち込みはじめてしまうよ。

非定型うつの初期症状3:10時間以上の過眠

診断の際に最も重要な項目といわれているのが睡眠時間だよ。
うつでは不眠が問題だったけど、非定型うつの場合は過眠が症状なんだよね。
そう。1日10時間以上眠ることが週3日以上あると過眠とされるんだけど、非定型うつの場合はこの過眠が見られることが多いよ。
何時間でも寝ていられる、とか過眠があると、生活リズムにも支障が出てきちゃいそうだね。
そうだね。さらに、過食も症状としてある場合は体重増加も起こるよね。そうするとさらに落ち込んでしまう、ということもあるんだ。

非定型うつの初期症状4:嫌なこと・場所でのみ激しく落ち込む

嫌なことがあったときや、精神的負荷が大きい場所にいるときだけ、激しく落ち込んだ状態が続くよ。
逆に嬉しいことや楽しいときは明るくなるんだよね。でもこれって誰にでもあるんじゃない?
そう。誰にでもあることなんだけど、非定型うつの場合はその気分の落差がとても激しいんだ。
ふむふむ。周囲からは理解できないくらい気分の差があるということなんだね。

非定型うつの初期症状5:感情的になりやすい

非定型うつの症状として「怒り発作」というものがあるよ。
以前は温厚だったのに、最近怒りっぽい、というのはこれにあてはまるね。
そうだね。ささいなことでも激しい怒りがこみあげてきてしまうんだ。
ただし、発作が落ち着くと、激しく後悔してしまってさらにうつ状態が悪化してしまうんだ。

非定型うつの症状

気分反応性

嫌なこと・場所では激しく落ち込み、嬉しいこと・楽しいことでは明るくなるのが、非定型うつの最大の特徴だよ。
うん。初期症状でもあったね。誰にでもある、落ち込みや回復だけど、差が激しいのが非定型うつの症状だったね。
そう。気まぐれな人だとか、わがままだとか誤解されがちだけど、本人も感情がコントロールできずに困っているんだ。

過眠・過食

こちらも初期症状にもあったね。
そうだね。何時間でも寝ていられるし、食べている間は気が紛れるからたくさん食べてしまうんだ。
さらに、寝すぎると脳の働きが鈍っていって、さらに憂鬱になるんだ。
悪循環になってしまうということだね。
たくさん寝てたくさん食べると、体重増加というデメリットもあるよね。
うん。過食症だと、食べ過ぎた後に嘔吐や下剤使用でもとに戻そうとする行動が見られるけど、非定型うつの場合は体重増加を防止するような行動は見られないことがほとんどだよ。

拒絶過敏性

非定型うつの中でも、人間関係の問題になったり、社会生活に支障が出たりする、深刻な症状だよ。
ささいな言動が気になって、激しく落ち込んでしまうんだよね。
そうそう。言った本人にはそんなつもりはなくても、非難されている、軽蔑されている、馬鹿にされている、否定されている。。。そう思い込んでしまうんだ。
その結果、学校や仕事を休んだり、寝込んだり、泣いてしまったりということになるんだよね。
うん。何気ない言葉だから周囲も理解しにくくて、なお人間関係が崩れやすいんだ。

フラッシュバック

PTSDでも起こるフラッシュバックだけど、非定型うつの場合も起こることがあるんだ。
フラッシュバックって、過去のトラウマを思い出してしまって、そのときの感情が呼び起こされてしまう症状だよね。
そう。PTSDの場合、生死に関わる事件・心の傷が、タイムスリップしたようにリアルによみがえるんだ。
痛み、匂いなどの状況もよみがえってしまうんだね。
うん。一方、非定型うつのフラッシュバックは、嫌な出来事を思い出して、怒り・悲しみといった感情をコントロールできなくなってしまうよ。
どちらもフラッシュバックだけど、PTSDと非定型うつでは少し症状が違うんだね。

併発しやすい疾患、誤診しやすい疾患

不安障害・パニック障害

パニック発作を経験した人は、非定型うつを発症しやすいんだ。
パニック発作というのは、電車内や運転中などの閉鎖的な場所で、激しい動悸や息切れ、発汗などが起きる発作だよね。
そう。「また発作が起きたら」という恐怖や不安から、うつ状態につながるんだ。
なるほど、パニック発作が起きるとうつ状態も引き起こして、うつ状態がまたパニック発作につながるんだね。
そうなんだ。ただ、悪化していくわけではなくて、こうして交互に繰り返しながら、徐々に改善・軽減していくよ。
ふむふむ!
不安障害というのも、併発しやすいんだよね。
うん。不安障害を持っているばあい、非定型うつも発症することがあるよ。
不安障害の根底にある「こだわり」「こわがり」が、不安や恐怖感を呼び起こしているんだ。

パーソナリティ障害

拒絶過敏性や気分反応性とよく似ている症状が、境界性パーソナリティ障害でも現れるんだ。
パーソナリティ障害でも、突然落ち込んだり、突発的に怒りが出たりするんだ。
そう。非定型うつの場合、病前は社会適応できていた、治療者を操作しようとしない、自分と治療者以外の他人を適切に評価できる、という点で、境界性パーソナリティ障害とは異なるよ。
なるほど。性格が変わってしまった、という特徴があれば非定型うつの可能性が高いんだね。

定型うつとはずいぶん症状が違うよね。次回は原因と治療についてお話ししていくよ!

 

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