パニック障害4 治療にあたって

発作が治まっても、不安や恐怖が続いていくパニック障害。今日は、発症した場合の治療法や、効果的なことを紹介していくよ!

 

治療期間は2-3年に及ぶことも

パニック障害では、治療が2~3年に及ぶこともあるよ。
発作、予期不安、広場恐怖が循環して悪化していくけど、どれも徐々に改善していくんだったね。
そうなんだ。
周囲が疾患を理解して、パニック障害を抱える人をサポートしていくことも大切だよ。

日常生活での注意

食生活などの生活習慣を整えること、コーヒー・タバコ・アルコールなどを避けたほうがいい、ということだったね!
そう。食事は脳の栄養。
糖質を摂りすぎない、ジャンクフードなどを避けて、バランスのいい食生活を心がけよう!
睡眠不足や過労などの体調の不調も、発作の誘因だったね。生活リズムを整えて、よく休養をとれるようにしたいね。
そうだね! あと、飲酒・喫煙・カフェインも、抗不安作用があるけど一時的で、効果が切れたときのリバウンドが激しいよ。
パニック障害を発症している場合は避けたほうがいいよ。
あとは運動だね。有酸素運動をして、誘因になる乳酸を解消したいね。

おもな治療法

通院後、医師から薬を処方されるよ。
この処方薬で発作を抑えていくよ。
薬物で発作を抑えて、認知行動療法などで不安・恐怖をコントロールできるようトレーニングしていくんだったね。
そうそう。それらを組み合わせて治療していくことで、徐々に改善されていくんだ。
根気強く治療していきたいね!

心理療法

パニック発作の治療に用いられる心理療法をいくつか紹介するよ。

認知行動療法

パニック障害の人は、不安や恐怖といったマイナスの感情を抱えやすいんだ。
考え方、反応などの、心の偏りを発見して、改善していくんだよね。
そうそう。普段の生活での考え方や行動が、発作とどう関連しているかを理解して、電車や人混みなど発作が起きやすい場所でも、考え方・行動をコントロールできるよう行動療法も並行するよ。

自律訓練法

自立訓練法は、呼吸を整えたり体の状態を確認したりすることで、疲労やストレスの緩和を目指していくよ。
じっくりリラックスできそうだね!
そう。落ち着いた状態をキープできるようになっていくから、発作も抑えることができるようになっていくよ。

暴露療法

暴露療法では、あえて苦手な場所に足を踏み入れることで、恐怖や不安に慣れることを目的にしているよ。
なんだかハードルが高そうだなぁ。。。
ハードルが高そうだけど、認知行動療法の行動療法の部分。
「この場所で発作が起きる」と考えていても、実は場所よりも考え方のほうが原因だったりするんだ。
なるほど、苦手な場所でも、落ち着いた状態であれば大丈夫、と確かめていくんだね。
そういうこと!
発作には、場所は実際には関係がない、ということを、段階を踏んで確かめて、成功体験を積んでいくよ。

パニック障害、克服のために

治療のときの心構えだよ。
その1 「死んでしまうほど辛い発作、でも決して死を招かない」
患者さん本人にとっては、パニック障害や発作は、ほんとうに死んでしまう、今度こそ死んでしまうと思ってしまうほど辛いもの。
でも決して、発作が死を招くことはないよ。この点をきちんと確認して、理解できるようにしよう。
その2 気持ちや、都合の悪さで起きているわけではない
原因は、本人の気持ち、気の持ちようが悪いから、という点だけじゃないよ。
都合が悪いからわざと発作を起こしている、ということもないから、この点もしっかり理解しておこうね。
その3 発作が起きても慌てないで!
突然の発作で驚いてしまうことはあるとおもうんだ。だけど、慌てふためいてしまうと混乱や不安が強まってしまうよ。
発作がおきても、冷静になるよう努めよう。
その4 治療の根本は、発作を抑えること
パニック障害の治療の根本は、発作が消失すること。誘因となる物質を摂取しないなど、発作が起こらないよう努めていこう。
その5 服薬は発作時では意味がない
薬は、発作を防ぐためのもの。また即効性もないから、発作が起きてからの服薬では遅いんだ。
きちんと服薬を続けて、発作が起きないようにしよう。
その6 広場恐怖を克服する
場所は発作には直接の関係はないよ。服薬を継続して、行動にうつしていこう。
その7 併発しやすいうつの予防
パニック障害では、不安からうつも併発しやすいよ。
気力がわかなかったり不眠が続いたりしたらうつの可能性があるよ。
うつを併発していても早期発見、早期治療ができるよう、自分の状態に気を付けてみよう。
その8 パニック障害はコントロールできる
誘因に触れないよう気を付けたり、治療で発作の原因を理解したりすることで、パニック障害もどんどん克服していけるよ。
完全にコントロールできる病だということを理解しよう!
その9 勝手な減薬・断薬は厳禁
パニック障害は頑固な病。治療に時間もかかるし、根気が必要。
自己判断で薬の量を減らしたり、服薬をやめたりするのは治療には逆効果だよ!
その10 病気を理解すること
「パニック障害」という診断名をきちんと説明してくれる専門医のところで治療を受けよう。!
病気の理解を進めて一緒に治療していこう。

周囲の理解も大事!

発作が起きても慌てない!

発作が起きたとき、周囲が慌てたり騒いだりしてしまうと、本人の発作が悪化してしまうよ。
周囲の人は、パニック障害を理解して、協力してあげたいね!
そういうこと。楽な体勢がとれるよう環境を整えてあげて、また優しく声かけをするなど安心させてあげられるようにしよう! 安心できると治まるのも早いよ。

日常生活のサポート

広場恐怖で、外出ができなくなってしまうこともあるよね。
そうそう。通院すら難しい場合も多いけど、通院などの外出、暴露療法には家族や周囲の人が同行してあげよう。
慣れている人が同行してくれると心強いもんね!
そういうこと。あとは、食事など日常生活でも、誘発しそうなものを避けるようにサポートできるといいね。