気を付けたいストレス対処方法

パーソナリティ障害の一般的なストレス防衛

心を安定させたり、不快さを弱めたり避けたりする反応を「防衛機制」というよ。
ストレスへの対処法、ということだね。
そう。パーソナリティ障害を持っている人は、その防衛機制も独特だったり、偏っていたりするんだ。見てみよう。

投影・・・他人へ責任転嫁

こちらは他人のせいにしてしまう、というストレス対処方法だよ。

 

嫌なこと・人の、その嫌な原因を他人に押し付ける
なんとなく嫌だと思っていた人について、実はその人が、自分の中の認めたくないものを持っているから嫌だった
指摘されたとき「あの人もやっていることだ」などと責任逃れをする

 

境界性パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害の人が強いストレスを受けたときに、投影という方法をとることがあるよ。
こういった反応は、本人が持っている偏見や相手に対する疑い、不安感などを助長してしまいそうだね。
そうだね。あとは、妄想性パーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害にも多くみられるよ。
不信感が強い、空想しがちなタイプ、というのが関係していそうだ。

分裂・・・白か黒か、ゼロか100かという考えから離れられない

ストレスがあったとき、良いもの・悪いものとの2つに完全に分けて考えることで、良いもののほうを守ろうとするよ。

 

世の中には、いい人と悪い人のどちらかしかいない、と考える
「良い」ものは「悪い」ものに汚されてしまうから、完全に分けることで「良い」ものを守れると思う
いい部分と悪い部分を両方あわせもっているものに対して不信感がある

 

境界性パーソナリティ障害の人の典型的な防衛機制だよ。
境界性パーソナリティ障害の特徴の、絶賛していた人に急に冷たくしたりなどが、分裂に当てはまりそうだ。
そうだね。同じ人に「好き」と「嫌い」を両方持つことがすごく不快と感じて、対人関係が不安定になるよ。

行動化・・・衝動的な行動

反社会性パーソナリティ障害や境界性パーソナリティ障害の場合に、非常によく見られるよ。

 

つらいことがあったとき、無意識の願望や衝動を直接行動で表現する
無責任、無謀、愚かな行為をしてしまうこともある
辛い感情や衝撃を受け止めきれず、反社会的な行動をする

 

衝動買い、過食、などだよね。
そう! また、行動化の結果が非行や見境ない性関係、薬物乱用など習慣化しやすいものだった場合、どんな出来事が原因か気づけないままになってしまうことが多いよ。

自責的反応・・・自傷行為や重責を感じる

自分自身を傷つけることで、他人への怒りを表現する、という対処もあるよ。

 

自傷行為
自分は醜いと思い込む
衝動的に自分を傷つける行為をする

 

境界性パーソナリティ障害の人によく見られるよ。
衝動的な行動のひとつだね。

空想・・・空想で現実から目をそらす

空想で現実から目をそらしてしまおう、という防衛機制だよ。

 

空想の人間関係や、自分の思い込みの中でストレスに対処する
孤独や嫌なことなど、つらい現実から目をそらす
他者との関わりを避ける

 

回避性パーソナリティ障害、統合失調質パーソナリティ障害によくみられるよ。
空想はあくまで空想であって、言動に影響したりはしないんだね。

心気症・・・体調への心配を訴える

他者から気にかけてもらえることで、ストレスを軽減しようとする対処だよ。

 

体調不良を大げさに訴える
周りから労わられるよう振る舞う
深刻な病気だと、過度に思い込む・心配する

 

依存性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害の人がよく用いるよ。
自己肯定感が低い、というのがつながっていそうだね。
そうだね。他の人への怒り・不快の表現の場合もあるから注意だよ。

 

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