「一部の記憶がすっぽりなくなる」「自分の感覚がなくなる」など、解離性障害について
ストレス、辛い体験からの自己防衛「解離性障害」
これまで、ストレスや辛い体験が原因となる疾患をいくつかお話ししてきたね。
うん。うつ病、依存症、睡眠障害。。。いろいろあったね!
そうだね。今回は「解離性障害」という病についてお話ししていくよ!
解離性障害とは
僕たちは「自我」というものを持っているんだけど、どういうことかわかるかな?
自分が自分であるということを認識している、みたいなことかな。。。?
そうそう。記憶、意識、知覚、アイデンティティ。これらは通常、自分の中に一つにまとめられているんだ。解離性障害とは、これらの感覚をまとめる能力が、一時的に喪失している状態だよ。
一時的な記憶がなくなったり、感覚がなくなったりなどが起こる、ということ?
そうだね。よくある症状を見てみよう!
解離性健忘
ある一部の記憶がすっぽり抜け落ちてしまう、一時的な記憶が全くない、という状態だよ。
カタレプシー
身体が動かなくなる、動かせなくなる、といった症状だね。
解離性とん走(遁走)
今までの記憶を失い、失踪して新たな場所で生活を始めている、ということもあるんだ。
解離性てんかん
突然昏睡に陥ったり、体を思うように動かせなくなる、などの症状だね。
離人症
自分が自分である、という感覚が障害されるよ。自分を外から眺めている、というような感覚になることが多いよ。
多重人格障害(解離性同一性障害
複数の人格があり、それぞれ交代で表れる症状だよ。人格同士は、別人格が出現している間の記憶がないんだ。
強いストレスが原因
こういった症状って、どうして起こるのかな?
原因としては、強いストレス、心的外傷が考えられているよ。
災害、事故、暴行被害、などだね。
そう。事故などの一過性のストレスもあれば、性的虐待・戦闘体験など、慢性的に繰り返されていたものがあるんだ。
積み重なったストレスも、原因になるんだね。
うん。つらかった経験を思い出すことも、ストレスになるよね。そのダメージを避けるため、緊急避難的に精神機能の一部を停止させている、と考えられているよ。