「家族」の正しい機能とは? 子供の成長過程の問題について

機能不全家族について

そういえば前回「機能不全家族」という言葉が出てきたけど、ちょっとイメージがつきにくい言葉だよね。
そうだね。
アダルトチルドレンは「機能不全家族で育ったことで、成人後もトラウマを持つ」という状態だけど、機能不全家族にはそれ以外にも問題があるんだ。

”正しい機能を果たしていない”家庭

機能不全家族、文字通り「正しい機能を果たしていない家庭」という意味だよ。
正しい機能、かぁ。。。
Kくんは、家族の正しい機能ってなんだとおもう?
うーん、子供をきちんとしつけたり、愛情をもって接したり、とかかなぁ?
そうだね。
子育ての他にも、地域とのかかわり、団らん、といった機能が、一般的には家族に求められているよね。
機能不全家族は、こういった一般的な家族の役割が欠如している、正しく機能していない状態の家族なんだ。
なるほど。
機能不全家族で育っていると、それが当たり前、って思っちゃうんじゃない?
そうなんだ。
自分の家庭が機能不全であることに気づくのは難しいし、大人になってからも機能不全の状態でも違和感を持たないことが多いんだ。
たしかに、自分で気づくのは難しいよね。。。
ただし、機能不全家族で育ったからといって、全ての人が社会不適応になったり、大人になってからの家庭が機能不全になったり、というわけではないよ。
家庭外で、適切な対人関係が築けていれば、問題はないのかもね。

機能不全家族となってしまう原因

ダルトチルドレンは、もとは”アルコール依存患者の家族で育った子供”という意味で使われていたよね。
うん。
アルコール依存があると、機能不全家族となってしまうことも多そうだ。
そう。
ほかにも、様々な原因があるよ。

 

ギャンブル依存症
薬物依存症
親の自殺・死亡の経験
親の浮気
両親の不仲、離婚、再婚
ネグレクト(育児放棄)
児童虐待
兄弟・姉妹間の処遇格差
家庭内暴力
借金
生活苦を伴う病気
障害・難病を持つ兄弟姉妹
不遇な里子体験

虐待やネグレクトなどは、子供のトラウマになりやすいよね。
そう。
こういった家庭だと、子供の息苦しさだけじゃなく、将来にも大きな傷が残るよ。
両親の不仲、離婚や再婚も、息苦しく感じちゃうよね。。。
こういった息苦しさから自分を守るために「いい子を演じる」など、子供はアダルトチルドレンとして成長していくことが多いんだ。

機能不全家族、家庭内での特徴

全ての家族が機能不全家族、育った子供が社会不適応、というわけではないけど、下記のような特徴があったら、家庭内を見直してみるのもいいかも。
どの家庭も「我が家は完璧」ってことはないと思うけど、子供が息苦しさを感じない家庭にしていきたいよね。

家庭内が不安定

・話しかけられても無視する、存在を無視する
・子供に、怒りなどの感情を押し付ける
・情緒不安定な親
・心理的・性的虐待や家庭内暴力
・不仲な両親
・両親が仕事や介護で不在がち
・子供を溺愛し、甘えを過度に許す
・親が子供の面倒を見ず、逆に子供が親のケアをすることがある。役割の逆転があった。

他人との比較

・「成績がよくないとかわいがらない」など条件付きの愛情
・他人や兄弟姉妹と比較する
・子供への期待が大きすぎる

対外的な部分

・社会的(職場、地域、他の家族)な関わりがない
・外面を気にする、プライドが高い、他人の目ばかり気にする家庭だった
・秘密が多い(「他者に言えない虐待があった」「親同士がひそひそと話している」など

子育てって難しいよね。甘えさせるのも、厳しく言うのも大事。。。
他の子との比較も、ときには大事だけど、他の子とばかり比較してしまうのもよくないよね。
そうだね、息苦しいかんじがしちゃう。。。
ほかにも、秘密による拘束で、子供が生きにくさを感じたまま成長してしまうこともあるよ。

 

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