お盆特別プログラム アンガーマネジメント③
今年度のお盆期間は、普段とはちょっと違う特別な講座を開催しています。
最初の3日間は、「アンガーマネジメント」について、そして最終日には外部講師による「メイク講座」を行います!
3日目となる今日は、”不要な怒りと必要な怒り”についての話です。
怒りの必要性を判断する
怒りは自然な感情です。
怒りが沸くことは悪いことではありませんし、時には怒った方がいい場面もあります。
しかし、ちょっとした出来事にも怒りを感じていては、自分にも、周囲の人間にも悪影響を及ぼしてしまいます。
そこで、不要な場面での怒りは手放すようにしたいわけですが、その判断基準としては、「後悔」が挙げられます。
怒りが沸いてきてしまったら、今ここで「怒ると後悔する」のか、「怒らなければ後悔する」のかを考えてみてください。
「怒らなければ後悔する」のであれば、その怒りは必要な怒りであると考えられます。
ただし、必要であったとしても、怒りの感情のまま、相手にぶつけていい、というわけではありません。
攻撃的にならないよう、怒りの原因となっている「リクエスト」を伝えるようにするのが重要です。
変えられないことへの怒りを手放す
変えることができないことに対する怒りは、持っていてもイライラが募るばかりで解消されません。
そのため、そのような怒りは初めから目に入れないようにしたり、できる限り手放すようにすることも必要です。
変えることができないこととして、まず挙げられるのは過去のことです。
過去に起きたことに対して怒りを継続していても、得るものは何もありません。
また、過去のことでなくとも、例えば渋滞に巻き込まれてイライラしているときに、渋滞を解消することもできないでしょう。
このような時は、変えられないことに注目するのでなく、変えられることに注目することが重要です。
渋滞をなくすことはできなくとも、他のルートを探したり、約束の時間をずらしてもらうなど、他に自分ができることに目を向けることで、怒りを解消に導いていけます。
手放した方が良い怒りであるのかどうかは、「重要性」と「変えられるかどうか」の2つの軸で整理することで見えてきます。
「変えられる」×「重要」なことへの怒りなら、全力で変えるための努力をすれば良いことです。
「変えられない」×「重要でない」ことならば、手放してしまったほうが賢明でしょう。
「変えられる」×「重要でない」ことは、無理に変えようとする必要はありません。
「変えられない」×「重要」なことは、直接変えるのではなく、自分にできる他のアプローチを探してください。
怒るときはリクエストを伝える
やりたくないことを押し付けられそうな場面や、傷つくことを言われたりしたときなど、「怒らないと後悔する」ような場面に直面したとき、「怒ってはダメだ」と自分を律していたらどうなるでしょうか。
その場で相手との関係性を壊すことは避けられるかもしれませんが、自分に蓄積した怒りが、どこかで爆発してしまうかもしれません。
また、自分がそれを望んでいないことを伝えなければ、相手は以降も同じようなことを繰り返すかもしれません。
怒る目的は相手を責めることでもうっぷんを晴らすことでもなく、「リクエスト」を伝えることです。
怒りの感情をそのままぶつけるのではなく、自分が求めていることを明確に伝えることが重要です。
前回の講座で話した通り、怒りの陰にはタネとなる、怒り以外の感情が隠されています。
この感情に目を向けることで、自分が求めているリクエストが何か、わかりやすくなります。
例えば、購入した商品に不具合があったことで、怒りに任せて「自分はこんなに迷惑した、どうしてくれるんだ」と伝えても、相手の怒りや困惑を招くばかりで事態の解決には至りません。
しかし、この場面に隠れた感情、「購入した商品が使えなかったことに対する悲しみ、がっかりした気持ち」に目を向けるとどうでしょうか。
「買ったものに不具合があったことで困っている。取り替えて欲しい」と伝えれば、事態はもっとスムーズに解決するのではないでしょうか。