コミュニケーション「マラソンランナー」/認知行動療法講座「メリット・デメリット分析の実践」
目次
新聞読解「流行語大賞 『ONE TEAM』」
以下、記事の要約です。
今年話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2019ユーキャン新語・流行語大賞」が2日、発表された。年間大賞にはラグビー・ワールドカップ(W杯)で日本代表を率いたジェイミー・ジョゼフ・ヘッドコーチが掲げた「ONE TEAM(ワンチーム)」が選ばれた。
他には、台風による影響の「計画運休」、タピオカの流行による「タピる」、元号が変わったことでの「令和」などもランクインした。
この記事に対する利用者さんの意見・感想
- 流行語大賞は、その年に活躍したり事件になったものが出てくるのだなと感じた。
- 「平成最後」という言葉が一番使われていたのでは。
- 一致が求められている日本だからこそ、「ONE TEAM」は日本らしさが表れているなと思う。
- 「令和」という言葉は、元号なので流行語といって言いものなのか。
流行語大賞のトップ10を見ると、今年起こったことなどを振り返ることができますね!
簡単に今年の流れを抑えておきましょう。
認知行動療法講座
就労移行支援事業所リスタートでは、「ものの受け取り方(認知)」を変えることで「感情」やそれによる影響を抑える「認知行動療法」についての講座を毎週やっています。
前回、スキーマのメリット・デメリット分析について説明しました。
今回は、メリット・デメリット分析について、サンプルの問題に挑戦します。
スキーマ:すべてを完璧にこなさないといけない
早速ですが、上記スキーマのメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット
このスキーマの持つメリットとして、まず最初に挙げられるのは「日常、ビジネスを問わず常に手を抜かないために、良い結果に繋がりやすい」ということです。
完璧を目指して努力をすれば、当然結果もより良いものになりやすくなることでしょう。
また、「周囲からは優秀な人、頑張り屋などと思われ、好意的に評価される」といったメリットも考えられます。
努力しただけ良い結果を出せば優秀に映るでしょうし、努力していること自体、好意的に見られやすいものです。
デメリット
では、デメリットはどうでしょうか?
まず最初に、大きなデメリットとして、「現実的にはすべてを完璧にこなすことは不可能である」こと、そのために「失敗する度に自分を責め、落ち込むことになる」ことが挙げられます。
また、常に努力を続けることの裏返しとして、「どこでも手を抜けないのでリラックスできる時間や空間がなくなってしまう」ということも挙げられます。
さらに、人によっては「他者にも完璧を求めてしまい、努力していないように見えると自分は頑張っているのに、と不満につながる」ということもあるかもしれません。
新しい考え
このように、このスキーマがあるからこそのメリットがある一方で、その裏には自分を追い詰め、苦しめてしまう要素もあることがわかってきました。
このうち、メリットは可能な限り残したまま、デメリットを無くした考えを作ることを目指しましょう。
今回であれば、
「よい結果を出すのに越したことはないが、完璧な人間などおらず、ときに失敗したり、完璧とは言えない結果になることもある。しかしそれで自分の価値が下がるなどというわけではないし、できる範囲で頑張ればいい」
といった適応的スキーマが考えられます。
新しい考えは、必ずしも正解があるというわけではなく、自分が「メリットは変わらず受け取り、しかし自分を苦しめることはない」と思えるような考え方を作ることができれば、それでよいのです。
コミュニケーションプログラム
リスタートでは、今日から新しく、「コミュニケーション」というプログラムを始めました!
言葉の通り、プログラム内で利用者同士コミュニケーションを図ることを目的としたプログラムです。
どんな職場で働くにせよ、多かれ少なかれ必要となるコミュニケーションの能力ですが、一口にコミュニケーションと言ってもその意味するところは多々あります。
プログラム内では、主として以下の能力を磨くことを目標としています。
・言葉以外のコミュニケーションによる情報を受け取る
・グループの一員として協力し、目的を達成する
・自分の言動を周囲がどのように受け止めているかを知る
・情報を誤解なく伝える方法を身に着ける
・自分の希望や意見を相手に伝える
第一回の今日は、鯖戸善弘さん著作の「コミュニケーションと人間関係作りのためのグループ体験学習ワーク」という本から、マラソンランナーの順番を当てるワークをしました。
マラソンランナー
今日のワークは、個々に配られたカードに描かれたイラストを口頭のみで伝えあうことで、その順番を整理するというものです。
全員に1枚ずつ配られたカードには、マラソンランナーと、家や山、雲といった背景が描かれています。
実は、すべてのカードは繋がって1枚の絵となっており、ちゃんとした順番で繋げれば、何番目のランナーがどのゼッケンをつけているか、わかるようになっています。
そのため、イラストを見せ合えばすぐに答えに辿り着くのですが、ここで使っていいのは「言葉」のみです。
このワークによって、タイミングを見て情報を伝えること、情報を整理し、順序だてることなどを自然と体験することができました。
参加した利用者さんからは、以下のような感想がありました。
- 着眼点の違いで、他の人の発言を聞いたことで伝え漏れている情報があることに気づいた
- 情報を引き出していかないと、誤解が起こることがあると気づいた
- 話し出すタイミングの重要性に気づけた
- 集まった情報を整理する必要性が分かった