コミュニケーション「潮干狩り」認知行動療法講座「コラム法の練習」

新聞読解「消える兼業農家」

以下、記事の要約です。

日本の農家は兼業と専業、どちらが多いのか。会社などの給料が農業収入より多い農家の数と、農業収入が主体の農家を比べると、2000年にあった2倍の差が19年にほぼ均衡するまでに縮まった。
「専業農家の増加は心強い」と思いきや、とても喜べる状況にはないこともわかる。農林水産省によると19年の農家数は113万戸で、00年の半分に減った。減少が著しいのが農業が従の第2種兼業農家で、約6割減の58万戸になった。一方、農業所得が主の第1種兼業農家と専業農家は合計で55万戸と、3割減にとどまった。

この記事に対する利用者さんの意見・感想

  • 今後は今の時代に合った農家の形を考える必要があると思った。
  • 食料自給率が40%くらいなので、今後が心配。
  • 企業が新卒で農家の採用というのもありなのでは。

農家の減少は大きな問題ですね!国・企業としてどんな対策を取れるかがカギになりそうです。

認知行動療法講座

就労移行支援事業所リスタートでは、「ものの受け取り方(認知)」を変えることで「感情」やそれによる影響を抑える「認知行動療法」についての講座を毎週やっています。

前回は、コラム法についての紹介をしました。

今回は、サンプルを用いて「コラム法」の使い方を練習します。

コラム法の練習

前回紹介したのは「7つのコラム」と呼ばれる7ステップに分けて柔軟で現実的な考え方を見つける方法でした。

まず最初の段階として、最初の3ステップで自動思考を見つける練習をしていきます。

第1のコラム「状況」、第2のコラム「気分」、第3のコラム「自動思考」のことを、「3つのコラム」と呼びます。

これは、特定の状況で浮かんだマイナスの感情から、自分にどのような自動思考があったのかを見つけるためのコラムです。

実際に、サンプルを見てみましょう。

サンプル:メールが返ってこない

Bさんは、ある休日の昼に友人にメールを送りました。ところが、いつまでたってもメールの返事が返ってきません。

3つのコラムを使って、この場面における自動思考を探していきます。

まず第1のコラム「状況」は、上記の通りです。

本当であれば、5W1Hを使ってできるだけ具体的にしたほうが良いのですが、今回はサンプルなので省略します。

第2のコラム「気分」は、この状況で浮かんだマイナスの気持ちと、その強さです。

ここでは、「不安:90%」「落ち込み:70%」とします。

最後に、第3のコラム「自動思考」で、これらの気持ちが浮かんだ原因となる自動思考を探します。

不安を感じる原因の例として、「私のメールが気に障ってしまったんだ」と考えていることが挙げられます。

落ち込みの原因は、「私は友人に嫌われている」と考えたことでしょうか。

もしかしたら、「自分はいつも人とうまく付き合うことができない」なんて考えて、ますます落ち込んでしまっているかもしれません。

このように、3つのコラムを使うことで、自分がどのような自動思考を持っているのかを見つけることができるのです。

コミュニケーションプログラム 

リスタートでは、毎週火曜日にコミュニケーションのプログラムをやっています!

言葉の通り、プログラム内で利用者同士コミュニケーションを図ることを目的としたプログラムです。

どんな職場で働くにせよ、多かれ少なかれ必要となるコミュニケーションの能力ですが、一口にコミュニケーションと言ってもその意味するところは多々あります。

プログラム内では、主として以下の能力を磨くことを目標としています。

・言葉以外のコミュニケーションによる情報を受け取る
・グループの一員として協力し、目的を達成する
・自分の言動を周囲がどのように受け止めているかを知る
・情報を誤解なく伝える方法を身に着ける
・自分の希望や意見を相手に伝える

第八回となる今日は、鯖戸善弘さん著作の「コミュニケーションと人間関係作りのためのグループ体験学習ワーク」という本から、グループでルールを理解し、協力するワークをしました。

潮干狩り

今回のワークでは、利用者さんは2つのチームに分かれ、チーム対抗でワークを進めます。

このワークは、ルールが少し複雑です。

「4回行動できて、そのたびに4ヵ所掘ることができる。ただし、1度の行動では同じ場所を掘ることはできない」

「掘る宣言はリーダーがしなくてはいけない」

など、どれもルールに記載はしてあるのですが、項目が多いために見落としてしまうことがあります。

そして、もしもルールに違反してしまうと、点数がマイナスされてしまうのです。

そのため、チーム内でルールを確認しあう必要が出てきます。

さらに、チーム対抗の勝負になるため、相手チームに勝つためには作戦を考え、チームで共有しなくてはいけません。

こうして、グループで意見を一致させ、合意を得るためのプロセスを体験することができるのです。

今回参加した利用者さんからは、以下の振り返りがありました!

  • 制限時間が近づくと、焦って周囲に確認するのを怠ってしまうと気づいた
  • 他の参加者の意見を聞いたうえで判断することができた
  • 自分が気づいたことについて、周囲に働きかけることができた
  • もう一つのチームの動きも見て、作戦を共有することができた