紹介!コミュニケーションのテクニック ②
就労移行支援事業所 リスタート では、毎週月曜日にワークショップを、火曜日にはコミュニケーションプログラムをやっています。
これらは、社会で生きていく上で避けて通れない「対人関係」を円滑にするため、「コミュニケーションに慣れる」ことを目的としたプログラムです。
ここでは、良好な人間関係を築いていくために気を付けたいコミュニケーションのテクニックを紹介していきます。
説明は「具体的」に!
以下のような表現を使った、あるいは使われた経験はありませんか?
「主体的に動いてね」
「メールは早めに返信してね」
「ちゃんと片付けてね」
「挨拶はちゃんとしてね」
良く使われている表現ですが、こういった言い方は認識がずれてしまう原因になります。
前回の記事で「たとえ」を使うことの重要性について書きましたが、具体性についても同じです。
曖昧な表現は、それぞれの経験を基に判断する要素がそれだけ多くなるために、思っていたのとまったく違うイメージが伝わっていた、ということもあり得ます。
また、過去の経験に判断できる基準がなければ、どうしていいのかわからず、途方に暮れてしまうこともあるかもしれません。
誰かに何かを頼んだり、説明したりするときには、具体的な表現を心がけましょう。
上記の例であれば、こんな言い方ができるかと思います。
「主体的に動いてね」
⇒「わからないことがあったら、教えてもらうのを待たず、自分から相談しに来てね」
「メールは早めに返信してね」
⇒「メールは遅くとも24時間以内には返信してね」
「ちゃんと片付けてね」
⇒「部屋の床には何も置かず、あるべき場所に戻すようにしてね」
「挨拶はちゃんとしてね」
⇒「挨拶をする時は、作業の手を止めて目を合わせてしてね」
「理由」が「納得」を生む
相手に何かしらの行動を促したい時には、理由を伝えることが重要です。
以下の2つを見比べてみてください。
「夕方17時までにR社宛の資料を作成しておいてください」
「R社が、こちらの新たな提案を議題にあげるために必要としているので、夕方17時までに資料の作成をお願いします」
お願いされている内容は同じですが、後者の方がすんなりと受け止めやすくありませんか?
人は、自分が納得することで初めて自発的に行動するものです。
例え必要なことであると言われても、なぜそれが必要なのかがわからなければ、なかなか行動に移すことができません。
したいこと、わかって欲しいことがあるのであれば、「なぜなら」を忘れないようにしてください。
また、先ほどのトピックと同じく、「具体性」も重要です。
以下の例を見てください。
「会社の決まりなので、帰宅する時にはデスクの上には何も置かないように」
「社会人として当たり前のことだが、帰宅する時にはデスクの上には何も置かないように」
一見理由を伝えているようですが、このような言い方をされるとモヤモヤする人もいるのではないでしょうか。
これらはどちらも、具体性に欠けた言い方です。
理由が具体的でないと、結局なぜ必要なのかがわからず、押し付けられているように感じてしまうのです。
「帰宅後に清掃業者の人に入ってもらうが、そこで間違えて大事な書類を捨てられてしまう可能性があるので、帰宅する時にはデスクの上には何も置かないように」
このように伝えられていれば、納得感が生まれ、受け止めやすくなることでしょう。